大阪社保協FAX通信   997号 2012.3.21                                        

「命綱」を切り離す生活援助の弾力化絶対反対!!ここまでやるか厚生労働省〜買物の弾力化は厚生労働省小手先だけのごまかし〜訪問介護を切り捨てる報酬改定は許せない!!(よりよい介護をめざすケアマネ・ヘルパーの会内海事務局長談話)

★苦しまぎれの言い訳で現場は大混乱

3月16日に厚労省が通知した介護報酬改定に関するQ&Aはご覧になりましたか?

生活援助45分短縮反対の抗議が全国から殺到する中、厚労省はここにきて、急に「45分しか提供できないというのは誤解です。必要なら今まで通り60分でも90分でも継続して提供することは可能である」と言い出しました。

誤解!?それならば、45分の時間区分見直しそのものを白紙撤回すべきではないでしょうか。

それを、まるで現場のケアマネジャーやヘルパーが勘違いしているかのような言い訳をしてごまかそうとしています。説明責任を押し付け、サービス調整に追われているケアマネジャーとヘルパーに責任転嫁して、厚労省の面子を守ろうとしています。

★買い物の弾力化は小手先だけのごまかし 

おまけに、時間短縮化のための効率化のため、訪問前の買い物を解禁しました。

介護報酬改定に関するQ&Aによると「前回訪問時あるいは事前の電話等により利用者から購入すべき商品を確認した上で、事業所等から店舗に向い、商品を購入後、利用者の居宅に向かうことができる」と書かれています。読んだ瞬間は、「ここまでやるか!?」と思いましたが、すぐに「やっぱりこんなことまでやるのか」と、怒りがこみ上げてきました。

介護保険制度開始から、「訪問介護においては、居宅において提供されるサービス」として厚労省がこだわり続け徹底的に指導してきたことを、いとも簡単に自ら覆したことになります。「買い物」という行為だけ捉えて「単なるおつかい」あるいは「御用聞き」のような扱いにしてしまいました。

しかし、「訪問介護は居宅において提供されるサービス」に固執した指導によって、私たちはどんなに苦しめられ、利用者や家族はどんなに泣かされてきたことでしょうか。

「複数の医療機関の通院」「通院帰りの買い物」、それから「散歩の同行」も、「居宅において提供されるサービスではない」という理由だけで、利用者の個別の事情を無視しケアマネジャーのアセスメントもケアマネジメントも否定して、保険給付を認めなかったはずです。

それが、手のひらを返したように、利用者宅に訪問する前に事業所から直接店舗に買い物に行くことを容認しました。このまま厚労省の都合に振り回され好き勝手にされたままでいいのでしょうか。

買い物の弾力化は、ホームヘルプの「家政婦化」を加速させる

しかし、生活援助は「単なる家事代行」とは違います。当然、家政婦とホームヘルパーの仕事も専門性も違います。それを、買い物の前後に連続する行為を全く無視していることが大きな問題です。

ヘルパーは、利用者宅に訪問してまず状態確認します。そして、買い物に行く前に体調をみながら献立を利用者と一緒に考えたり、冷蔵庫の中や日用品のストックを確認します。家計のやりくりを考えて買い物代金を預かります。買い物に出かける前に、洗濯機を回していきます。買い物から帰宅したら、おつりの確認をしてレシートを提供記録に張り付けます。このように、買い物ひとつ取っても、これだけの一連の行為があります。いずれも、利用者もしくは家族と共にする行為であって、個別の生活習慣やこだわりを理解している馴染みのヘルパーだからこそできる援助です。これこそが、「自立支援」ではないでしょうか。ヘルパーが効率的・合理的に一方的に提供するのではなく、訪問介護は利用者との「共同の営み」です。それがヘルパーの専門性ともいえるのではないでしょうか。

★権利はたたかう者の手にある〜を合言葉にたたかい続ける

ですから、今回の買い物の弾力化は、訪問介護を全面的に否定する行為であり、ヘルパーとケアマネジャーの資格も専門性もないがしろにする行為としか思えません。

このように、買い物を「単なるおつかい」や「御用聞き」のような扱いをすることは、ホームヘルプの「家政婦化」を加速させるとともに生活援助の切り捨てに発展する危険があります。

 利用者の多くがヘルパーに支えられて生活が成り立っています。「訪問介護」は利用者の在宅生活には欠かせない援助でありヘルパーはかけがえのない存在です。利用者の暮らしの場に寄り添い共感しながら暮らしを支える唯一無二の支援である訪問介護は「命綱」と言えます。利用者の生活実態を無視して給付費抑制だけを目的に、この「命綱」を切り捨てることは絶対許せません。

 4月以降も、報酬改定の影響を監視しながら、引き続き、生活援助の時間短縮の白紙撤回を要求し続けていきましょう。    

  (よりよい介護をめざすケアマネ・ヘルパーの会 内海聡子事務局長)

 

3月17日京橋宣伝行動に20人のヘルパー、ケアマネジャーが集結!一人ずつマイクを握り語りかけました!!

2月に続き、3月17日(土)午後3時から、京橋駅コンコースで宣伝・署名行動をしました。
 20名のケアマネ、ヘルパーが参加。「宣伝には行けないけどせめて署名だけでも」と、わざわざ署名用紙を届けてくれた人や仲間を誘って来てくれた人もいました。

みんな現場で働くケアマネ・ヘルパーだけど、「忙しいからそんなヒマない」なんて言う人はいない。報酬改定まで2週間に迫り混乱している中でも、仕事を終えて駆けつけてくれました。

★毎月第3土曜日に京橋で定例宣伝実施決定

宣伝行動して感じたことは、介護現場の問題を社会に発信することの大切さでした。

そして、私たち現場のケアマネ、ヘルパーだからこそできること、それは、介護問題の「可視化と社会化」です。

利用者・家族の一番近くに寄り添い、生活を支えている私たちだからこそ、利用者・家族の生活実態を介護保険の理不尽で不当な内容を伝えることができます。

問題の可視化と社会化のため、これからも宣伝行動を続けよう!毎月定例化しよう!と、みんなの想いが一つになり、毎月第3土曜日に京橋で定例宣伝をすることに決まりました。

私たちの宣伝行動が定着していくことが、問題の社会化から介護の社会化のきっかけになるはずです。

ケアマネ、ヘルパーだけではなく、たくさんの仲間が参加してくださることを呼びかけます。

    

4月21日(土)午後3時 京橋駅でお会いしましょう!

 

 

 

緊急介護報酬学習会

訪問介護・通所介護の問題点と

利用者本位の対応を考える

第5期の介護報酬の政省令・通知・Q&Aが出揃いました。

現場では、生活支援サービスの60分から45分への短縮や介護予防生活介護の一方的な短縮などが利用者に一方的に通告されるなど大混乱がおきています。

また、通所介護の報酬大幅切り下げは、事業所の存続をも危うくするほどの打撃です。

この学習会では通知やQAを読み込みながら、利用者本位のサービスをいかに継続提供していくのか、そしていま何をすべきかを考えます。ぜひご参加ください。

 

日時 2012年4月13日(金)18時半〜 

場所 大阪府保険医協会М&Dホール 

        大阪市浪速区幸町1-2-33 (O-CAT北側、なんばHACH西側)

講師 日下部雅喜・大阪社保協介護保険対策委員

参加費・資料代  2000円

定員 200人(事前登録制)

主催 大阪社会保障推進協議会 

06-6354-8662/fax06-6357-0846/osakasha@poppy.ocn.ne.jp

申込 下記申込用紙をfaxしてください。定員になり次第〆切ります。お断りする方のみfaxで連絡しますので必ず番号を明記してください。

          

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