大阪社保協通信

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1277号 2024.2.8

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大阪社会保障推進協議会

  

このままではホームヘルパーがいなくなる!!「介護報酬改定へのパブコメ」に怒りの意見を!(221日締切)

122日社会保障審議会介護給付費分科会において介護報酬改定案に対する諮問答申がされました。

★要介護3の場合の各サービス基本報酬の増減は以下

サービス種別

設定

改定前

改定後

増減

居宅介護支援

要介護3〜5

1398

1411

13

0.9%

訪問介護

 

身体介護30分以上1時間未満

396

387

9

2.3%

生活援助45分以上

225

220

5

2.2%

訪問入浴介護

1回

1260

1266

6

0.5%

訪問看護

 

ステーション20分未満

313

313

1

0.3%

PT,OT,ST1回

293

294

1

0.3%

訪問リハ

訪問リハ1回

307

308

1

0.3%

予防訪問リハ1

307

298

9

2.9

通所介護

 

通常規模・7時間以上8時間未満

896

900

4

0.4%

大規模U7時間以上8時間未満

826

830

4

0.5%

通所リハ

 

通常規模・7時間以上8時間未満

1039

1046

7

0.7%

大規模U・7時間以上8時間未満

973

983

10

1.0%

短期入所

単独型・従来型個室

778

787

9

1.2%

老人福祉施設

ユニット型個室

793

815

22

2.8%

老人保健施設

多床室・基本型

898

908

10

1.1%

 

★最大の問題点は訪問介護費の引き下げ

2024年度介護報酬改定案ではわずか+1.59%のプラス改定、大半のサービス種別も引上げになったのに、ホームヘルパー(訪問介護)だけが基本報酬ダウン。しかも引き下げ率は2%〜3%で過去最大の引下げです。

「心が折れた」 「コロナでも必死にがんばったのに」 「国はヘルパーは要らないと言うのか」

怒りと悲しみの声が多くのホームヘルパーから沸き起こっています。絶望的と言うほかない人手不足は、有効求人倍率15.5倍という数字が物語っています。ホームヘルパーの37%60歳以上で後継者がいない事業所も多数います。国も「このままではサービス提供体制が確保できないおそれがある」と認めています。

なぜ、よりによってその訪問介護の基本報酬を2%以上も下げるのでしょうか。

★引き下げ率は過去最大 

訪問介護費(身体介護中心型)の推移  介護報酬の1単位は地域により10円から11.4円)  

 

2000

2003

2006

2009

2012

2015

2018

2021

2024

 

30分〜1時間

402

402

402

402

402

388

394

396

387

9

1時間以上

584

584

584

584

584

564

575

579

567

12

30分増すごと

219

83

83

83

83

80

83

84

 82

2

     厚生労働省 介護給付費単位数等サービスコード表各年度から作成

★訪問介護の「黒字幅」が理由!?

国は、訪問介護事業所が「黒字幅」は他のサービスと比べて大きいことを引下げの理由にしています。

しかし、事業所調査の回答率は42%であり、小規模事業所は調査に回答する余裕すらないところが多いです。

さらに、個別分析では、前年対比で収入(売上)は大きく変わっておらず、ヘルパー不足の影響による人件費の減少による利益の押し上げが主たる要因と考えられており、経営が安定しているわけではありません。

また、サ高住などの集合住宅併設の訪問介護が、収支差率を押し上げていることも指摘されています。

こんな数字を理由に介護報酬を下げられてはたまったものではありません。

★訪問介護事業経営者とヘルパーに与える経済的・心理的マイナス影響

  基本報酬減は 事業所経営悪化に直結し、「ヘルパーの公的価格削減」⇒「ヘルパー評価ダウン」へ。職、閉鎖の増加につながります。ただでさえコロナ禍の困難な状況下で頑張ってきたヘルパーの心の糸が今回の報酬減でプツンと切れ、退職につながる可能性が大です。

広範な関係者、とくに訪問介護事業所・ヘルパーに知らせ、声を上げる運動を

介護報酬改定に対する厚労省へのパブコメの締め切りは2212359分です。方法は@意見提出フォームへの入力A電子メールA郵送の3つです。

■パソコンからメールを送るのが一番簡単。以下をクリックしてください

令和6年度介護報酬改定に伴う関係告示の一部改正等に関する御意見の募集について|e-Govパブリック・コメント

 「意見募集要項」をクリックして開けたうえで下の「意見募集要領(提出先を含む)の全部を確認しました」をチェックすると意見入力ができます。なお、大阪社保協ホームページにもアップしていますので、あなたがまず意見を。そして知り合いの事業所・ヘルパーにもお知らせして数多くの意見提出をしましょう。

https://www.osaka-syahokyo.com/top/kki2024.pdf