大阪社保協通信  1247号 2021.4.6

 

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324日・25日、大阪市役所前フードバンク&大相談会に101人が訪れる〜50%が収入減、失業・雇止め17%、心がしんどい10

324日・25日の両日、大阪社会保障推進協議会・一般社団法人シンママ大阪応援団主催「フードバンク&大相談会」が実施されました。

会場となる中之島公園女神像前はまさに大阪のど真ん中で、周りに住宅地はなく、銀行、会社などが立ち並ぶビジネス街です。ではなぜ人が住んでいないこの場所を選んだのか?それは、大阪市役所の目の前であるということ。つまり、大阪市に対するアクションの一つとして会場を決定したのです。

事前の広報は、大阪市のある北区役所にチラシを配架してもらったり、大阪市内の困窮者支援や外国人支援の団体、大阪市内の外国人向けの日本語教室などへの申し入れを行いました。また、大阪市役所記者クラブでの記者会見を行い、しんぶん赤旗、大阪民主新報、大阪日日新聞などで告知がされました。

1日目は訪れる人は少なかったのですが、道行く人たちへの呼びかけで会場に足を踏み入れる方もおられました。また、MBS毎日放送テレビやテレビ大阪、しんぶん赤旗、朝日新聞、京都新聞、NHKの取材があり、MBSの夕方の情報番組「みんと!」でながれました。

2日目はテレビの影響からか、朝早くから会場を訪れる方たちが多く、開始を1時間早めました。また、大阪市役所横の中之島図書館の司書さんが会場を訪れ「昨日から、このテント気になっていたんです。フードバンクのこと、知らせますね」と言ってくださり、実際に「図書館で教えてもらった」と訪れる方が何人もいました。

★詳細な受付を実施

今回、会場を訪れる方全員に受付を通っていただき、検温と同時に氏名、住所、電話番号、困っていることなどを受付票に詳しく書いていただきました。単にフードバンクで食べ物などを持って帰っていただくだけでなく、その後の相談やサポートにつなぐためです。

これは、先行して実施されていた大阪市西淀川フードバンクを参考とさせていただきました。西淀川区では西淀川区社保協などが実行委員会を立ち上げ大規模なフードバンクを実施されており、1月は260人、2月は500人、3月は430人の地域の方々の参加があり、次回は5月に実施されます。

101枚の受付票からみえてきたこと

各年齢の方がまんべんなく来られました。そのうち5割が収入減と答え、6割の方の困りごとがお金のことで、「手持ち金がない・食べものが買えない」が15%と困窮していることがうかがえます。

健康面では「心がしんどい」と「体調不良」がそれぞれ1割で、「お金がなくて医療機関にいけない」かたは4人、「手持ち金がない・食べ物がかえな」くてかつ「体調不良」「心がしんどい」方は9人いました。

 

【概要】

◆男性58(57.4%)女性37(36.6%)

 ◆年齢 10歳代3 205人  3013人 4013人 5019 6022人 70歳以上20

□職種 無職39人 パート・アルバイト18人 正職員12人 自営・フリーランス9人 派遣社員8

□コロナで収入は  ◆減った51人 ◆変わらず36人 ◆増えた0

□困っていることは  ◆お金のこと57(内訳 収入減30人 手持ち金がない・食べ物が買えない15)

              ◆仕事のこと26(失業・雇止め17)

              ◆健康のこと26(心がしんどい10人 体調不良10人 お金がなくて医療機関にいけない4)     

★フードバンクにはたくさんの食品、日用品が

フードバンクにはたくさんの食料品・日用品が並びました。具体的には、米、パックごはん、キャベツ、お菓子、レトルトカレー、レトルトパスタソース、缶詰、飲料、牛乳、マスク、女性ブースには紙おむつ、生理用品、粉ミルク、可愛いお菓子・パンなど。

食品は、おおさかパルコープフードバンク、大阪平和委員会、そして個人の方からご寄付いただきました。大量のマスクは大阪民医連から提供していただきました。

★相談ブースでは30人が相談

 36歳男性塗装業 仕事があるときは月2030万円あったが、コロナで仕事がない。緊急小口資金も総合支援資金も手続きして借りた。住居確保給付金も給付されたがそろそろ切れる。生活保護は働きたいので考えていない。

 ●71歳男性 交通事故について

 ●52歳女性 日本語教師をしているが海外から学生が来ずほとんど仕事がない。

 ●女性 2年間ホームレスをして現在シェルターにいるがもう出てくれと言われている。

 ●40歳男性 派遣で3年勤めたが無期雇用とならず失業。コロナ特例で失業給付の延長かあったがその給付も途切れた。スキルアップをして就職につなげたい。

 ●56歳男性 統合失調症で障害年金で暮らすが年金額が少なく暮らせない。

 ●41歳女性契約社員 インバウンド向けの仕事。コロナで仕事がなくなり収入が減って暮らせない。

 ●60歳代女性 シルバーの派遣去年の9月で雇止め、休業支援金の相談

 ●女性 イベントの仕事をしていたがコロナの影響で仕事が入ってこなくなった。

 ●60歳代後半男性 仕事を探しているが保証人がいないため最後に落とされてしまない仕事に就くことができない。

 ●調理師 飲食のアルバイトだがシフトが半分になった。

 ●50歳代女性 飲食店勤務 2020年秋コロナのため閉店解雇。その後短期のコールセンターで働く。コールセンターは安全対策ができていなくて不安。マスクができないためとなりの咳が気になる。安心出来る環境で働きたい。

 ●20歳代女性 コロナで仕事がなくなり40社受けてやっと職がみつかった。一時はどうなることかとおもった。

 ●61歳男性 お金がなく医療費負担ができない。血圧が高い。

 ●20歳代女性 学生。家賃は親が出してくれているが生活費は自分がアルバイトをして稼ぐ。営業時間短縮で収入が減り、食費、日用品費節約している。      

★女性ブースの相談員さんからの声

フードバンクで女性ブースで相談担当させていただきました。

学生さん、お一人暮らしの方、赤ちゃんを連れたママ、助けたい女性がいるけれど自分が男だからどうしたらよいかという方、と様々な方が来られました。

ブースでは生理用品、粉ミルク、紙おむつ、女性に喜んでいただけそうなフェイスパック、化粧品、可愛らしいお菓子、日用品を用意していました。食べることを節約されていたり、生理用品の使用頻度を節約されている方が多くおり、生活に困っている方が多くおられることを実感しました。

SNSをみてやってきた学生さんは、アルバイトが減り、それでも卒業したいからと生活費を限界まで節約されているようでかなり痩せていました。就職も厳しく、卒業することだけを目標にされているようで、お話を聞きながらまだまだこれからの学生さんなのでなんとかして夢に向かっていただきたいなという気持ちでいっぱいになりました。

 また、しばらくお風呂に入れていない方も来られました。

ある男性の方は、梅田にホームレスの若い女性がいて心配だけれど、どうしてあげたらいいのかわからないと言っておられました。

コロナ禍となって生活苦となり、これからの若い女性がギリギリの生活をされていることがやるせないです。

明るい未来が見える社会になって欲しいと強く思いました。

また、私が現地へ行く途中でホームレスの方がいたので声をかけてみました。「すぐ先でフードバンクしていますが、行かれましたか?」と。パンをちぎりながら食べていたその男性は、「さっきも声をかけてもらったけどね、見ての通り、今はこのパンが1つあるから。私みたいなのが頂くなんて申し訳ない」と。「明日の分はありますか?せっかくですから行かれませんか?行きましょう!」と何度かお誘いしてみると、本当にいいのか?と腰を上げられました。

また別の女性の方にも声をかけました。「こういうイベントをしていますからいかがですか」?と。その方も、「私も困っているけれど、私よりも困っている人が多くいるのではないですか?どうかその方に」と遠慮されていました。

困っているけれど行けない、自分よりも困っている人へ、行くことが恥ずかしい。そんな方が多いような気がしました。こういった方に受け取ってもらうにはどうしたらいいのか?なんとかならないかなぁという気持ちでいっぱいです。

今回のイベントでは、たくさんの方にご協力いただくことができました。沢山の寄付の品を見たときに、本当に温かい気持ちになれました。今回のようなイベントに参加させていただけたことで、沢山のことを知ることができ、沢山の温かさをいただき、ありがたく思っています。参加させていただきありがとうございました。

また次回も喜んで参加させていただきたいなと思います!!みんなが生きやすい社会になりますように!!

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昨日夕方のテレビで見た!という方も沢山来られました。

派遣社員の方はコロナ禍での苦労や自分と同じような境遇の方がたくさんいることを語ってくださいました。派遣元によって休業にたいする補償がまちまちで、現実をリアルに感じました。

フードバンクに来られた方はみなさん両手いっぱいに荷物を抱えて帰路についていかれました。驚きながら、とても嬉しそうな表情を見受ける場面もありました。

多くの人にとって絶望の多い毎日だと思います。ですが、このような試みをする団体があるのだな、ということを知っていただいたことで、少しでも何かのきっかけになったんではないか、と思います。知らないだけで、力になりたいと思ってる人は実はいるんだ。「生きてたらなんとかなる。」そんな言葉もかけていただき、わたしも勇気づけられました。大変なこともあるけど「生きてたらなんとかなる。」スタッフとしてほんの少しですが携わることができてよかったです。お疲れ様でした。

★各団体からたくさんのボランティアさんにご参加いただきました。

フードバンク&大相談会 ボランティア・相談員

団体

324

325

 

大阪労連

30

31

61 

大阪民医連

17

17

34 

保険医協会

9

4

13 

歯科保険医協会

6

6

12 

大生連

2

2

4 

地域社保協・個人会員

1

2

3

シンママ大阪応援団

11

17

28 

その他団体

10

12

22 

合計

87

91

178

各地のフードバンク、食糧配布の計画をお知らせください。

 西淀川区フードバンクについては前述しましたが、各地でフードバンクが計画されています。どうぞお知らせください。また、近畿総決起集会実行委員会が近畿の社会保障情報を共有するためのホームページも今後たちあげます。トップページに各地のフードバンク情報を掲載します。

 

◆松原まんぷくプロジェクト 418()10時〜14時 天美荘園会館(連絡先民青河南地区委員会072-952-5222)

◆大阪狭山フードバンク 425()10時〜12時 府営狭山住宅31棟集会所(連絡先 狭山みんなの診療所072-367-3339)