大阪社保協通信  1218号 2019.11.12

 

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1022日「国保西日本集会」で大阪高裁給与口座差押違法判決・原告と代理人弁護士特別報告〜大阪社保協滞納処分対策委員会「解説文」作成

1022日、中央社保協・社保協西日本ブロック主催「国保都道府県単位化・滞納処分問題西日本集会」報告の後編では特に第2部の「滞納処分」問題運動交流での、高裁判決について報告します。

 

□画期的な「所得税滞納処分 給与口座差押えは違法」大阪高裁(勝訴確定)〜原告さんと代理人・尾崎彰俊弁護士による特別報告

1011日付京都新聞が「給与が振り込まれた2日後に口座預金を差し押さえたのは違法だとして、滋賀県野洲市の50代男性が国に対し、約24千円の返還を求めた訴訟の控訴審判決が10日までに大阪高裁であり、中村也寸志裁判長は一審判決を一部取り消し、国側に全額の返還を命じた。同種の訴訟に詳しい弁護士は「振り込み数日後の預金を財産ではなく給与とみなし、差し押さえを違法とした判決は全国初とみられ、画期的だ」としている。判決は926日付。」と配信しました。

全国各地で、税や国保料などの滞納に対して、給与や年金が振り込まれた口座を全額差押えする事案が頻発しており、この大阪高裁判決は非常に画期的な判決であり、何としてもこの件についての報告を西日本集会でしていただきたいと急遽ではありましたが代理人である尾崎弁護士(京都第一法律事務所)がお引き受けくださり、さらに原告のKさんにも発言していただけることとなりました。急なお願いにも関わらず、駆け付けてくださったKさん、尾崎さん、本当にありがとうございました。

原告のKさんは特別報告の中で、「口座が全額差押えられ、そのなかには通勤交通費も含まれていた。そのため、会社には迷惑がかけられないと、冬の2月の寒空の中、毎日自転車で通った。この毎日が負けるものかという気持ちにつながった」「高校時代に基本的人権を学校で学んだ。でも私には基本的に基本的人権があるのか、知りたいという思いが強くなり、どうしても裁判で訴えたかった」「多くの弁護士さんにも相談したが、やつても負けると言われ続け20人以上断られた」と語られました。Kさんの勇気ある行動が、全国の滞納処分での違法行為、脱法行為に対しての地域での運動の大きな宝となります。

□大阪社保協滞納処分対策委員会として高裁判決解説文を作成。ご活用を。

 集会当日、この大阪高裁判決の経緯と意義について尾崎弁護士が報告され、さらに鳥取児童手当差押え事件の弁護団であった勝俣弁護士が解説しました。これら内容をもとに、大阪社保協滞納処分対策委員会として「解説文〜『差押禁止の趣旨に反するものとして違法』 給与口座の差押え-大阪高裁・実質的に給与の差押えと同視し違法と判断」を作成し本日添付いたしますので、ぜひご活用ください。大阪社保協としては、今後この「解説文」とともに、大阪府・大阪市・府内市町村に対して要望書を提出し、今後交渉・懇談を地域社保協とともにすすめていきます。