大阪社保協通信  1169号 2017.11.27

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11.17大東市介護保険総合事業現地調査」に220人が参加!

 大阪社保協と大東社保協主催、中央社保協が共催して実施された「大東市介護保険総合事業現地調査」には大阪だけでなく、各地から220人もの参加があり、終日、具体的な調査を展開しました。マスコミ関係は、読売テレビ、テレビ朝日、朝日新聞、しんぶん赤旗、大阪民主新報が取材しました。

 現在、介護保険事業所訪問等報告・事業所アンケート・参加者感想文を月末までに集約・データ化中で、今年中には簡易な報告書を作成し、来年には書籍化をする予定で作業を進めています。

 特に、事前に市民向けチラシを配布したことから、「市民相談会」には7件の相談が寄せられ、「介護保険から卒業させられた」市民からは「前のようにデイサービスに行きたい」「リハビリを受けたい」「元気でまっせ体操には行けない」・・・・などの具体的な相談が入り、継続的な対応を進めていく予定です。

 

 

【現地調査一日のスケジュール】

 

 10時半  全体集会

        ・開会あいさつ  井上賢二 大阪社保協会長

        ・NHKクローズアップ現代視聴

        ・当事者からのビデオメッセージ(協立診療所)

        ・大東市現地からの報告(かわち野医療生協介護福祉事業部)

        ・三重県桑名市の報告(三重短期大学 村瀬氏)

        ・介護保険改定と大東市介護保険の問題点(大阪社保協介護保険対策委員長 日下部氏)

        ・行動説明(天野大東市会議員)

 12時   昼食休憩

 13時   現地調査

        ・介護事業所訪問  2090

        ・出前講座 元気でまっせ体操 40

        ・出前講座 介護保険  30

        ・生活サポート事業NPO住まい見守り隊との懇談  10

        ・NPO集いの場くりのき見学 7

        ・市民相談会   相談員4人 相談者7

  15時  大東市役所前 アピール集会

        発言者  中央社保協・前澤事務局次長

             介護保障を認める広島の会 大畠氏

             神戸・安心と笑顔の社会保障ネットワーク・菊池氏

             大阪市立大学教員・水野氏

             介護福祉総がかり行動・NPOみなと 大野氏

             門真社保協・藤井氏

  1540分  総括集会

            各行動報告

            まとめ 新井実行委員長

            閉会あいさつ 大東社保協・中村会長代行

 

 

【参加者の感想文から】

○介護事業所訪問。訪問介護事業所の方からは「大変な影響がありました!」と堰を切ったように話をされました。大変な不安や不満を感じていることが分かりました。通所介護事業所の方からは殆どの利用者が「自立」となって、その中ではとじこもりになってねたきりになった方もいるとのこと。また事業所の経営が非常に苦しいということでした。大変なこの状況を跳ね返していくためにもこうした運動を進めていくことが本当に重要だと感じました。

○出前講座「元気でまっせ体操」。逢坂さんがピリピリしていると感じました。介護予防の説明の区切りがあいまいで、介護を必要としない私にはもっとちゃんと説明をして欲しいと思いました。

○介護事業所訪問。デイケア、リハ市節では突然利用者が「終了」を告げられ「自信を持って送り出したわけではないので心配」と話されていました。一部を除き『何か言いたい』という思いを持っている事業所が多いと感じた。

○出前講座「介護保険」。総合事業に聴いたところ担当でないのでわからないという回答が多かったように思います。何のための講座かわかりません。「総合事業」の出前講座でも作ったらどうでしょうか。

○介護事業所訪問。事業所周りでは、朝に聞いた事例と同じことが起こっていた。あるデイでは支援の8人の方が卒業をさせられ、行き場をなくした利用者が亡くなったという話を聞いて心が痛かった。誰のための介護保険か考えてほしい。

○出前講座「元気でまっせ体操」。元気でまっせ体操の経験は貴重だった。しかし、市民に任せる内容ではないと思う。高齢者の誰もができるか?

○介護事業所訪問。大東市の総合事業への府民が多く寄せられた。事業所のみなさんも困っておられた。本当に利用者の個別性がないがしろにされているシンママ大阪応援団接待に怒りを感じる。住民無視・事業所の思いはとてもよくわかった。大東市のやり方は地域を分断し、事業所つぶし、健康づくりは名ばかりで、むしろ排除促進だと思う。全国の見本でなく悪いお手本だ。社保協に期待する声が大きかった。声を伝えることの出来ない事業所の思いを一つにするとてもよい機会です。

○出前講座「元気でまっせ体操」。体操を直接体験できたのは良かったです。一定の条件がある人向きには良いと思いますが、そうでない人は振り下ろされると、市として企画推進しながら「住民でやるたい人がやっていますので」というのは、行政として無責任極まりない発言でびっくりです。

○出前講座「元気でまっせ体操」。この体操を80歳代、90歳代の要支援という決して軽度ではない人ができるか、というのは疑問、というか出来ないだろう。とても運動の速度がはやく、危ないのではないかと感じた。「ボランティア保険などみなさん加入されているのですか」という問いに、「元気でまっせ体操はやりたい市民があつまってやっているので、市は関知していない」という答えに驚く。なんという無責任。「怪我をしても自己責任」だといわんばかり。そして二言めには「体操はただですから〜」というのにも驚く。結局は市民の健康ではなく金勘定しかしていないのだと感じずにはいられなかった。

 

「要介護認定申請は権利なので拒否しない」、被害者には「謝罪しない」〜1121日大東市介護保険総合事業問題懇談会(話し合い)

 11月21日、大阪社保協は大東社保協とともに、大東市の介護保険・総合事業の改善を求めて話し合い(懇談会)を行いました。社保協側は約20人、大東市側は大石高齢介護室長と逢坂参事ら3名が対応。前回(8月31日)の話し合いが中断したままとなっていたため継続の話し合いとなりました。なお、この話し合いには、テレビ局が取材を求めていましたが、大東市側は「認められない」と拒否した状態で行われました。

★「卒業強制」の事実は認め、是正を確認

 大東市では昨年4月の総合事業移行によって、要支援1.2のホームヘルプサービス、デイサービス利用者の多くが一方的にサービスを打ち切られる「卒業」が行われています。

 大東市は前回の話し合いで、「卒業の強制があったのは事実」「そのようなことのないよう地域包括支援センター職員に周知を行った」と述べていました。

 これについて、「卒業」の強制とは具体的にどのようなものであったのか。また、何人に対して行われたのかについて質問しました。

 大東市は、何人が「卒業強制」であったか「件数は分からない」という無責任な説明を行いました。

11月17日に大阪社保協が行った現地調査の中でも利用者・事業者の双方から「『もう現行サービスは使えない』と打ち切られた」という声が多数ありました。

社保協側はその事実と示し追及を行いましたが、大東市(逢坂参事)は、「していないとは言いきれないが、もしあれば個別に対応する」と述べました。

やり取りの中で、@「現行相当サービスは使えない」という言い方はしない A本人・家族が不納得な場合はサービス終了しない Bもしこれとちがうことがあった場合は是正する の3点は「確認できる」としました。

★ サービス終了者の現状把握は「地域の見守り」任せ?

 大阪社保協は、サービス「卒業」となった人の現状を把握し公表するよう求めていました。大東市は今年10月に 卒業者(サービス修了者)の「現状」について126名の一覧表を情報公開しましたが、内容に多くの疑問・不明な点があったため、その説明を求めました。

大東市資料の中で「地域資源(大東元気でまっせ体操など)移行」とされている人について、大東市は、「あくまで終了時点でのこと。全員の現状については把握していない」と回答。「元気でまっせ体操では、2ヵ月以上参加がなければ体操グループから地域包括支援センターに連絡が入ることになっている」と、サービス終了後の見守りが「地域任せ」であることが明らかになりました。

 11月17日の現地調査の中では事業所から「サービス終了者の中でその後死亡された方が2名いる」という聞き取り調査結果もありました。このことについて質問すると「癌などで亡くなった方がおられることは知っている」と答えましたが、大東市の集計表は死亡者は一人もなくつじつまの合わない事態となっています。

 社保協側は、「公開質問書を出しているので、卒業者の現状把握についてはきちんと回答せよ」と求めました。

 

★「要介護認定申請は権利。窓口で拒否しない」と確認

大東市では、「歩けない人・予防給付のサービスを希望する人」以外は窓口で要介護認定をさせず「基本チェックリスト」に振分ける窓口対応マニュアルがあり、総合事業移行後要支援認定者は激減しています。

前回話し合いで大東市は、「要介護認定申請を断ることはしないはず。そう受け止められているとすれば窓口での言い方の問題なので、伝える」として答えていました。しかし、その後も「歩ける人は申請できない」と言われた人が何人もいる事実を示し、「どうなっているのか」と質問しました。

大東市側は、「窓口ではそういう対応をしていないと聞いているが、断られたと受け止められている方についてはこちらに来ていただければ対応させていただきます」と述べました。

 社保協側は、介護保険担当外の市役所窓口で断られた例もあること、役所内で周知徹底されていないことを示して追及しました。また、「大東市受付案内マニュアル」では、本人が歩けて予防給付のサービス利用も希望されない方は要介護認定申請を案内しない『基準例』となっていることも指摘しました。

 大東市側は、「認定申請は権利なので断ることはできない」と認めました。大阪社保協側は、重ねて「大東市は、申請理由を問わず認定申請は受け付ける。役所窓口で断られることはないと約束した、こういうことでいいか」と念を押し、大東市側も「それでいいです」と回答しました。

 被害者への謝罪について

 大東市の総合事業では、必要なサービスが利用できずに生活に支障が出た利用者が多くいます。NHKクローズアップ現代(7月19日放映)では、医師が指示した通所リハビリテーション利用が認められず、自宅で「元気でまっせ体操」のDVDを見ながら体操を指導されるという短期集中サービスを押し付けられ、状態が急速に悪化し、わずか半年で要支援1から要介護5の寝たきりになった事例が紹介されています。

 大阪社保協は、本人にも経過を確認し大東市の対応に問題があったと判断し話し合いでは「事実経過を確認し原因を究明したうえで本人に謝罪すべき」と指摘しました。

 ところが、大東市(逢坂参事)は、「本人がサービスを拒否していたとケアマネから聞いている。謝罪する必要はない」と言い放ちました。社保協側は、大東市としての調査と謝罪を改めて求めましたが、大東市は最後まで認めようとはしませんでした。

 大阪社保協は、11月17日の現地調査とこの話し合いを通じて明らかになった問題点について、その改善を求め、さらに運動を強化していくことにしています。

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 今後の介護・企画のお知らせ ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

1129()「介護保険抜本見直し検討会議」(1900- 大阪民医連)

1130()滞納処分対策委員会(1900- 彩法律事務所)

124()大阪市堺市介護保険総合事業対策会議(1900- 大阪民医連)

127() 事務局会議(1400-大阪社保協事務所)

            シングルマザーとサポーター養成講座B(1830-ドーンセンター)  

1211()大東市総合事業問題現地対策会議(1830-協立診療所)

1220()中央社保協医療介護運動交流集会(1030-日本医療労働会館)   

1221日(木)大阪社保協第6回常任幹事会(1800- 国労会館2階円卓会議室)

227()仕事おさめ

1月4()仕事はじめ

110()中央社保協運営委員会

111()事務局会議(1400-大阪社保協事務所)

            シングルマザーとサポーター養成講座C(1830-ドーンセンター)  

112()河南ブロック会議(1400-松原民商)

115()北河内ブロック会議(1400-北河内ブロック)

117()北摂豊能ブロック会議(1400-吹田市さんくすほうる)

118日(木)大阪社保協第7回常任幹事会(1800- 国労会館2階円卓会議室)