大阪社保協FAX通信   1140号 2016.6.30

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このままでは最悪の大阪市新総合事業に!!

この振り分けでは新規利用者はほとんど「緩和型(無資格)サービス」しか利用できない!!

★大阪市が「振り分け案」示す

大阪市は、来年度から実施予定の総合事業について、訪問型では、無資格者導入・報酬25%ダウンの「基準緩和型:A型」(生活援助型訪問サービス)の案を示し、事業者を参入させようとしています。

「現行相当サービス」(介護予防型訪問サービス)との利用者振り分けについては、これまで明らかにしていませんでしたが、6月2日に開かれた「平成28年度 第1回 大阪市社会福祉審議会高齢者福祉専門分科会 保健福祉部会・介護保険部会」で、「現行相当サービスの利用に係る判定スキーム」の案を示しました。

その内容は、新規の利用者の大半が「基準緩和サービス」しか利用できなくなるものとなっています。

 大阪市の「判定基準」案によると「訪問介護員による現行相当サービス利用」は新総合事業移行前に既に介護予防訪問介護を利用している人は「現行相当サービス」が利用できますが、新規利用者は

@    「認知症高齢者の日常生活自立度」ランクU(日常生活に支障のある認知症)以上

A    「障害高齢者の日常生活自立度」ランクB(ベッド生活中心で車椅子利用)以上

の人でないと「現行相当サービス」は利用対象となりません。

 それ以外の人が「現行相当サービス」(訪問型)を利用するには、「大阪市サービス判定会議」(月1回、事務局大阪市高齢福祉課)の判定を受けなければなりません。

 

  平成28年度 第1回 大阪市社会福祉審議会高齢者福祉専門分科会 保健福祉部会・介護保険部会資料

 

★大阪市の判定基準なら「要介護1」のはず

認知症ランクU以上ならば、本来は要支援でなく「要介護1」以上と認定される対象であり、障害高齢者ランクB以上ならば、歩行ができない人であり、これも本来は「要介護1」以上の対象です。

 これでは、新規に要支援のヘルパーを利用しようとする人は、ほとんど、無資格ヘルパーしか利用できなくなります。介護保険が保障したはずの「利用者の選択」は全く否定されることになります。

 

【参考】

認知症高齢者の日常生活自立度ランクU

日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さが多見られても、誰かが注意していれば自立できる。

Ua家庭外で上記Uの状態が見られる。

 たびたび道に迷うとか、買い物や事務、金銭管理などそれまでできたことにミスが目立つ等

Ub家庭内でも上記Uの状態が見られる。

服薬管理ができない、電話の対応や訪問者との対応などひとりで留守番ができない等

 

障害高齢者の日常生活自立度ランクB

屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが、座位を保つ

1. 車いすに移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う

2. 介助により車いすに移乗する

 

★国ガイドラインでも「1年かけて移行」なのに大阪市は「1日で移行」〜予想される大混乱

新総合事業への移行は、要支援認定の利用者を、認定更新に人から順番に1年かけて移行する方式を厚生労働省は示しています。大半の自治体もこの1年間かけて移行する方式です。

ところが、大阪市は突如「事業実施日」(来年41日)に「一斉に移行」と回答してきました。国が「1年間」かけて移行する方式を示しているのに、大阪市は「1日で移行」というのです。利用している人や介護サービス事業所は対応できるでしょうか。

大阪市は審議会にも事業者にもこのことはまったく知らせていません。あまりもの市民を無視したやり方です。

★大阪社保協・大阪市内ブロックは「緊急要求書」提出し交渉早期開催要求

大阪社保協と大阪市内ブロックは、本日早速大阪市に対して別掲の「緊急要求書」を提出し、この問題についての交渉・懇談を早急に開催することを強く要請しました。

 

次回介護保険総合事業 大阪市・堺市対策会議は

 84()午後7時〜 大阪民医連です。大阪社保協市内ブロックのみなさん、堺社保協のみなさん、ご参加ください!!

 

 

 

2016630

大阪市長

吉村 洋文 様                    大阪社会保障推進協議会

会長 井上賢二

                         大阪市内ブロック

代表 嘉村 健彦

大阪市北区錦町2-2国労会館内

06-6354-8662 fax06-6357-0846

osakashapoppy.ocn.ne.jp

 

新総合事業案に関する緊急要求書

 

 

 大阪市は、来年度から予定されている要支援1,2のホームヘルプ・デイサービスの「介護予防・日常生活支援総合事業」(以下新総合事業)移行について、訪問型サービスについては、「無資格者」によるサービスを導入し、その単価を25%も切り下げる案(基準緩和A型「生活援助型訪問サービス」)を示し、事業者を参入させようとしている。

 

 6月2日の「大阪市社会福祉審議会高齢者福祉専門分科会保健福祉部会・介護保険部会」にその振り分け案を示したが、重大な内容を含んでいる。

 新総合事業移行前の利用者は、「現行相当サービス」が利用できるものの、新規利用者は、認知症高齢者自立度U以上か障害高齢者B以上のランクでないと利用対象とならず、それ以外の人は大阪市高齢福祉課が月1回開催する「大阪市サービス判定会議」で判定されないと利用できないというものとなっている。これでは、新規利用者の大多数は、ホームヘルパーによる「現行相当サービス」から排除されてしまうことになる。

 

  また、大阪市は新総合事業への移行方法について、「一斉移行方式」で行うと大阪社保協アンケートに回答してきた。厚生労働省ガイドラインでさえ、要支援認定更新者からの「順次移行方式」としているにも関わらず、2017年4月1日に一斉に切り替える方法は事業者や利用者に混乱を与えかねない。

 以上について、下記のとおり要求するので、早急に回答し、交渉を開催するよう求める。

 

 

. 本年6月2日に示した「現行相当サービス利用スキーム案」については撤回し、すべての要支援認定者の希望と選択による「現行相当サービス」の利用を保障すること。

 

. 新総合事業への移行については、実施日一斉移行方式でなく、認定更新者からの順次移行方式とし、その移行先はすべて「現行相当サービス」とすること。