大阪社保協FAX通信   867号 2009.10.31

介護保険ローカルルール問題で東大阪市が質問状に文書回答 一部前進はあるものの中途半端で不十分な内容。回答内容に照らして今後の姿勢を監視・点検しましょう。

 東大阪市は、訪問介護サービス内容について、文章化しないものの様々な規制を行い、ヘルパーの外出介助の範囲や生活援助について制限を加える「ローカルルール」を作ってきました。

 大阪社保協は、今年9月29日の自治体キャラバンでの東大阪市当局との懇談の席上、「質問状」を提出していましたが、10月26日付けで東大阪市健康福祉局福祉部高齢介護課長名で「回答」がありました。

★散歩同行・介助  〜適切なアセスメント・ケアプランがあれば可能と明記

 厚生労働省の通知(平成21年7月24日付け事務連絡)及び大阪府訪問介護サービス内容に関するQ&A改正により、算定可能と明記されたヘルパーの散歩同行・介助について、東大阪市の回答では、

「アセスメントを適切に行った結果…必要性が認められる場合であって、その必要性と具体的なサービス内容をケアプラン上明確に位置づけて提供されるものであれば算定可能」としました。

散歩介助について限定的・否定的な発言を行った今年7月介護支援専門員との意見交換会での口頭説明について「算定可能な条件を限定する趣旨」ではなく「想定できる例を挙げたもの」と釈明しました。

★ケアプランチェック  点検姿勢については語らず

 ケアプランチェックについては、その趣旨について「利用者の自由な選択」「自立支援に資する内容」「真に必要なサービス内容」等、当然のことを述べるにとどまりました。厚生労働省の「ケアプラン点検支援マニュアル」の基本姿勢と異なる東大阪市の点検姿勢については何も明らかにしていません。

★独居加算 住民票による確認は必須でない

 居宅介護支援における独居加算については、意見交換会の説明について「住民票による確認が必須とする趣旨でなく」とし、住民票による確認が困難な場合や住民票による世帯構成と実態が困難な場合には、「介護支援専門員による生活状況の把握」により、単身と認められれば算定可能であるとしました。

 大阪府と比べてあいまいさが残りますが、住民票確認が必須でないことは明記しました。

同居家族に対するヘルパーの生活援助 一律不可とはしない

 同居家族のいる利用者に対する生活援助の提供については、「以前から一律に不可とする考えはもっていません」とし、厚生労働省の事務連絡を受けて方針変更はしていない、と回答しました。また、厚生労働省の事務連絡について事業者の会議等で配布済みであるとしています。

 しかし、私たちが問題にしているのは、生活援助の提供が必要でありながら、同居家族がいるというだけでそのサービス提供が制限されていることです。これについては、東大阪市は厚生労働省事務連絡の趣旨は否定しないまでも、自らの行っている制限指導については一切回答していません。

★認定調査での同席 「日ごろの状況を把握している方の同席」が方針

 認定調査の担当ケアマネジャーなどの同席制限については、「できるだけ家族等の調査対象者の日ごろの状況等を把握している方に同席していただくよう努めています」とだけ回答しています。これによれば、日ごろの状況を把握しているケアマネジャーであれば、制限どころか同席が奨励されることになります。

 

 このように、東大阪市の回答内容は、これまで担当者が口頭で指導してきた内容を事実上訂正したり、「趣旨」を釈明するといった内容があり、一部に前進した部分はありましたが、全体としては不十分なものでした。

 今後、大阪社保協として、この回答内容に照らして実際の市担当課の指導内容や指導姿勢がどうなのか、東大阪市の介護サービス利用者やケアマネジャー、ヘルパーさんなど声を聞きながら、監視・点検し、改善させていく取り組みを進めます。

 

東大阪市のローカルルールに関する質問に対する回答

大阪社保協 質問事項(09年9月29日)

東大阪市回答書(09年10月26日)

1. 東大阪市は年に二回、市内全居宅介護支援事業所をあつめて「東大阪市と介護支援専門員との意見交換会」を開催されており、今年の第一回目は730日に開催されています。

 ・今回の意見交換会で、「大阪府の訪問介護に関するQA」の改定について説明がありましたが、全面的にOKとなった「散歩同行」については、「東大阪市としてはなるだけしていただきたくない」「気分転換のための散歩は不可」「閉じこもり予防に効果的、デイにいけないとか代替サービスがないときのみ」と説明されています。さらに、「近隣の公園、短時間であること」「散歩ルートまで詳しく書け」とまでいっていますが、これは、大阪府の考え方はもとより、厚生労働省の考え方にもないものですが、根拠をおきかせください。

  訪問介護サービスにおける散歩の同行につきましては、「大阪府の訪問介護に関するQ&A」の改定により、「適切なケアマネジメントに基づき、自立支援、日常生活活動の向上の観点から、安全性を確保しつつ常時介助できる状態で行うものについては」訪問介護費が算定可能とされたものです。

  意見交換会においては、適切なケアマネジメントの中味として、想定できる例を挙げたもので、算定可能な条件を限定する趣旨で説明したものではなく、担当する介護支援専門員が利用者に対するアセスメントを適切に行った結果、上記に該当するものとして必要性が認められる場合であって、その必要性と具体的なサービス内容をケアプラン上明確に位置づけて提供されるものであれば算定可能と考えております。

・さらに、ケアプランチェックについては「指導」「指導」と連呼されていますが、厚生労働省のケアプランチェックの趣旨はなになのか、おたずねします。

  また、ケアプランチェックにつきましては、ケアプランが利用者の自由な選択に基づいているか、自立支援に資する十分な内容となっているか、真に必要なサービスが適切に位置づけられているかを確認することにより、利用者に対し真に必要なサービスが適切に提供されるよう図ることを目的としているものです。

 

2.      「独居加算」については、「東大阪では住民票を毎回とること」と指導されています。大阪府は4月の集団指導の中で、「大阪府としては住民票は不要」「グレーゾーンについての不要」とまで言い切っています。住民票と同居しているかどうかとの実態がかい離していることは厚生労働省も理解しており、必須ではないとしています。また、住民票という個人情報を第三者である事業者にとらせることの問題点をどのようにかんがえているのか、お尋ねします。

 

 

  居宅介護支援における独居高齢者加算につきましては、その算定にあたっては、国の解釈通知に基づき、原則として住民票による確認を行うことと説明させていただいておりますが、住民票による確認が必須とする趣旨ではなく、住民票による確認が困難な場合や住民票による世帯構成と実態が異なる場合には、介護支援専門員による生活状況の把握により利用者が単身で生活していると認められる場合は算定可能であると考えております。

3. 厚労省が二度にわたって通知をだしているにもかかわらず、東大阪市では「同居家族」がいる利用者に対する画一的な給付抑制をおこなっています。厚生労働省の通知については、いつ市内事業所にしらせたのか、日時をおきかせいただくとともに、東大阪市が指導している根拠をおきかせください。

  同居家族がいる場合の生活援助の提供については、平成19年12月20日付け及び平成20年8月25日付けご指摘の厚生労働省の事務連絡が発出されたものですが、本市におきましては、これらの事務連絡より以前から一律に不可とする考えは持っておりません。そのため、これらの事務連絡を受けて特に市としての方針を変更した経過はありません。

  なお、平成19年12月20日付けの事務連絡については、平成19年度第3回「東大阪市介護保険事業者連絡協議会訪問介護事業者部会」(平成20年2月21日開催、77事業所参加)及び平成20年度第1回「東大阪市と介護支援専門員との意見交換会」(平成20年6月19日開催、市内全事業所対象)において配布しております。また、平成20年8月25日付けの事務連絡については、平成20年度第1回東大阪市介護保険事業者連絡協議会居宅介護支援事業者部会(平成20年9月18日開催、121事業所参加)及び平成20年度第1回東大阪市介護保険事業者連絡協議会訪問介護事業者部会(平成20年9月20日開催、72事業所参加)で配布いたしました。

4. 認定調査でケアマネやヘルパーの同席を認めないと指導をされています。今回の新要介護認定においては厚生労働省は特に同席をすすめていますが、東大阪市はなにを根拠にそのような指導をしているのか、おきかせください。

認定調査につきましては、正確な調査が行えるよう、できるだけ家族等の調査対象者の日ごろの状況等を把握している方に同席していただくよう努めております

 

11月15日()の大阪社会保障学校ではどこよりもはやい門真国保調査報告があります!!ぜひご参加ください!!

1115日の大阪社会保障学校では「国保が貧困を拡大するー門真国保実態調査でみえてきたもの」と題して長友先生が記念講演をします。どこよりも早い報告を大阪社会保障学校で!!

 

2009年度大阪社会保障学校

□日時 2009年11月15日()  9時半開場 10時開校 16時閉校

☐会場 大阪民医連

☐記念講演

@     10:00-12:30   「国保が貧困を拡大する―門真国保実態調査でみえてきたもの」

長友薫輝・三重短期大学准教授

A     13:30-16:00   「『福祉国家』の存在意義ーフランスの失業・貧困対策」

都留民子・県立広島大学教授

☐規模 130

☐参加費 1000

☐参加申込  資料印刷の関係上、必ず事前にもうしこみをFaxまたはメールで