大阪社保協FAX通信   848号 2009.7.7

7月5日「大阪訪問介護Q&A学習会」に140人のケアマネジャー・ヘルパーが参加。「もっと勉強したい」「動けば変わるんですね」「地域での学習会をしたい」と明日につながる感想を数多くいただく。

7月5日午後、大阪社保協・よりよい介護をめざすケアマネジャーの会主催「大阪府訪問介護Q&A学習会」を開催、大阪府内から140人のケアマネジャー・ヘルパーが参加しました。

冒頭、大阪社保協・寺内事務局長から「介護保険の目的は利用者の尊厳ある自立した日常生活を支援するためのサービス提供です。しかし、現実にはローカルルールがあり、理不尽な給付抑制がおこなわけています。いまこそ、わたしたちが正しく法令を学び、自治体にコンプライアンス=法令遵守させましょう」と呼びかけました。

★講義1 大阪府QA全面改定までのたたかいと訪問介護の法令・通知解釈を学ぶ

講義1では日下部・大阪社保協介護保険対策委員から大阪府訪問介護サービス内容に関するQ&A改正の経過とその内容について、新旧Q&A比較と大阪社保協と大阪府の論点について詳しく説明がありました。

そして訪問介護についてのミニテストのあと、その後、訪問介護についての法令・通知を詳しくまなびました。

★ヘルパーとケアマネからの報告。

続いて、おおさかヘルパー連絡会の岩垣さんからは「サービス提供責任者」としての日々の悩みもふくめての活動報告があり、そして鶴見ケアマネット委員長の村Pさんからは学習を中心とした地域での活動が報告されました。

★講義2 「適切なマネジメント」による日常生活を豊かにする訪問介護サービス提供

 講義2では、よりよい介護をめざすケアマネジャーの会・内海海事務局長が「暮らしに目を向け想いを馳せる」と題して新QAを活用しながらもQAに惑わされないケアマネジメントの視点はいかに利用者の想いを大切にしていくかだということを具体的に利用者の声を出しながら講演しました。

特にバワーポイントで利用者の顔をだし、利用者の「どんな生活をしたいのか」という思いを実現するためのアセスメント・ケアマネジメントを生き生きと語り、会場の参加者全員が利用者の想いを共有することができました。

    「よくわかった」「もっと声をだし、うごかないといけないですね」「もっと学びたい」の声・声・声

最後に感想文を書いていただく時間も作り多くの方から提出していただきましたが、ほぼ全員が「よくわかった」「もっと学びたい」「しっかり学び動きたい」と書いておられ、明日につながる学習会になったと事務局としてとても嬉しく思います。

当日よりよい介護をめざすケアマネジャーの会にも2人の入会があり、さらに9月の「マスターケアマネ・ヘルパー養成研修」に13人から参加申し込みがありました。

 

利用者に必要な訪問介護サービス提供のために

ヘルパー・ケアマネジャーへのアピール(案)

 2009年7月5日

 今年4月、大阪府の「訪問介護サービス内容に関するQ&A」が全面的に書き換えられました。

 

 介護保険制度見直しと給付適正化の中で、大阪府から「あれもダメこれもダメ」のQ&Aが出されたのは一昨年の8月でした。あれから1年半、「これでは利用者の生活に必要なホームヘルプが提供できない」と現場の声と利用者さんの生活実態を持ち寄って何度も何度も大阪府に意見を出し、話し合いを重ねました。そして国会や大阪府議会でもこのQ&Aは取り上げられました。

 

 そしてようやく大阪府はQ&Aを全面的に改正しました。

 内容はまだまだ制約が多く不十分です。しかし、外出介助や散歩介助、生活援助の範囲が大きく広がる表現となったことは、大きな前進です。また、「適切なマネジメント」に基づき提供されるサービスは可能という大原則を認めさせることができたこと、そして何よりも大阪府がいったん出したものを現場の声と運動で書き直させたことの意義は非常に大きいと思います。

 

 しかし、大阪府内のケアマネジャーもヘルパーもましてや利用者さんもQ&Aが書き換えられたことを知っている人はごくわずかです。また府内の各自治体も旧Q&Aを根拠とした訪問介護サービス制限を改めようとはしていません。

 書き換えられたQ&Aを正しく活用し、利用者に必要な援助はホームヘルパーがきちんと提供できるようになるためにはこれからのケアマネジャーとヘルパーのがんばりにかかっていると言えます。

 今こそ、サービスの担い手であるヘルパーとケアマネジャーが力を合わせて本当の意味での「介護の社会化」と「利用者本位」を取り戻し、利用者の尊厳ある生活に必要なサービスを守り発展させるために行動するときです。

 

1 大阪府の「訪問介護Q&A」改正の内容を正しく伝え、自分たちのものにしましょう(地域での学習会を企画しましょう)

2 利用者本位のサービスを提供するために適切なマネジメントを行う力量を身につけましょう

3 各自治体に対し、これまでの一面的なサービス制限を改めさせるために声をあげましょう。

 

 

    当日資料おわけします。

当日資料が若干あまっています。おすすめなのは、「ローカルルールとたたかうための訪問介護資料集」です。1冊送料込1000円でおわけします。ほしい方は名前、送付先住所、冊数明記のうえ、Faxまたはメールで送ってください。

 

内容)新旧大阪府訪問介護Q&A・大阪府事業者指導課説明原稿・参議院議事録・大阪社保協見解

    訪問介護に係る法令通知資料

介護保険法、指定居宅サービス等の人員、設備及び運営に関する基準(平成11331日厚生省令第37)、指定居宅サービス等の人員、設備及び運営に関する基準について(平成11年9月17日老企第25号)

訪問介護費の算定に関する法令通知

指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年2月10日厚生省告示第19号)

指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス及び居宅療養管理指導に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成12年3月1日老企第36号)

訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について(平成12年3月17日老計第10号)

指定訪問介護事業所の事業運営の取扱等について(平成12年11月16日老振第76号)

介護保険最新情報(厚生労働省 老健局老人保険課)

       Vol.69 平成214月改定関係Q&A(Vol.1)について(平成21323日)

       Vol.79 平成214月改定関係Q&A(Vol.2)について(平成21417日)

      同居家族がいる場合における訪問介護サービスおよび介護予防訪問介護サービスの生活援助等の取扱いについて(平成191220日厚生労働省老健局振興課事務連絡)

 

2009年度「マスターケアマネ・ヘルパー養成研修」

 

 マスターケアマネ・ヘルパーとは次のように行動するケアマネジャーのことです。

  @利用者の権利を守る立場に立つ

  A介護保険など諸制度を十分修得する

  B制度を活用し、発展させる実践を行う

  C制度の不備や不当な内容についても連携と交渉で乗り越える努力を行う

  D介護保険制度などを改革する運動に取り組む

  Eケアマネジャーや地域での連携・ネットワーク構築の中心となる

 つまり、制度・行政に振り回されず、利用者の生活と権利を守るために「たたかうケアマネジャー・ヘルパー」です。

07.08年度にひきつづき、今年も「マスターケアマネ養成研修」を開催します。ぜひご参加ください。時間はいずれも午後1時30分〜5時30分で会場は大阪府保険医協会2F会議室で参加費は3回とおしで5000円です。申込はちらしに必要事項おかきの上、大阪社保協あてFaxしてください。

第1回講座 

9月 6日(日)

オリエンテーション

訪問介護の概念と改訂版QAの解釈について

グループワーク(担当者会議ロールプレイ)

2回講座

9月13日(日)

グループワーク(ケアプランと訪問介護計画作成演習)及び発表

事例研究

第2回講座

9月27日(日)

障害者自立支援法(身体障害・精神障害)の理解と介護保険との併用

実践報告

修了式

※講師の都合で内容がかわる場合もあります。

 

56月の介護認定審査を行った感想・・認定が軽度に傾いています。

大阪府歯科保険医協会理事であり、枚方社保協会長でもある小山栄三さんから5月6月の認定審査会での感想がよせられました。審査委員からの大変貴重なご意見ですので、以下掲載いたします。

 

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私が所属する認定調査会では、2時間で35例の認定調査をしています。一人当たりの時間が少ないので事前の下調べが出来ていないと、良く分からないままに進んでしまいます。

 

介護3

介護1、1例,要支援2へ2例

認知症、歩行器使用

介護2

要支援2,要支援1、各1例

ホームヘルパ利用

介護1

要支援2、 1例

デイサービス利用

要支援2

要支援1、 4例

訪問介護月8回利用

要支援2〜1

非該当、6例

ホームヘルパー、介護タクシ

 

5月と6月で70例を審査しましたが、コンピューターによる審査判定が下がったものを拾い出しました。16例有りました。介護度が下がれば介護サービスの利用も制限されてきます。要支援2が要支援1に下がった場合、訪問介護は月8回出来ていたのが4回しか利用できなくなります。

★要介護2の人が非該当になったケース

1例を書いてみますと、要介護2の人が非該当になったケースです。月8回訪問介護を受けていました。特記事項を見ますと症状は筋力低下があって5mくらいしか歩けません、ひどい物忘れ、金銭管理ができない、火の非始末もできないとなっています。主治医意見書は病名が書いてあるだけです。

しかし、このような症状が記入されていても今回の審査認定の基準はこれらの症状の結果、手間がどれくらい増えたのが、介護の状態はどうなのか、状態の不安定性はどうか(介護の手間が6ヶ月以内に増えていくかどうか)が記入されていなければ、審査結果を元に戻すことは出来ません。主治医意見書も病気の名前は書いてありますが、その症状が日常生活にどんな支障が出ているのか、ここまで記入されているものはありません。審査会では、特記事項、主治医意見書の傷病名などより類推して要支援1までは戻すことが出来ましたが要支援2まで戻すことは出来ませんでした。

★今回改定の矛盾点として気になる2点

1点目は調査員の調査項目74から14項目が削除されています。

拘縮・じょくそう・皮膚疾患・飲水、電話利用・指示への反応・幻視幻聴・暴言暴行・火の不始末・不潔行為・異食行動などが削除されていますが、これらは介護の手間としては重要な項目だと思っています。厚労省は主治医意見書、特記事項から判断できるとされていますが、この2ヶ月の審査で見る限り「特記事項」では麻痺・火の不始末、などの記述はあってもその結果手間が変わったと記述されているのはほとんどありません。「主治医意見書」も病名は書いてあってもその状態がどんなになっているのかを記述されているのは皆無に等しいです。

また、ケアマネジャーさんの調査項目で *麻痺があっても日常生活で支障がなければ自立、*調理が出来なくても出来合いを食べておれば自立とか世間一般にから考えてもおかしな判定基準になっています。それがコンピュータによる結果として出てきます。 

2点目はコンピューターの1次判定ソフトの問題です。

基礎調査が介護施設(60施設、3400人)の調査から要介護認定基準時間が統計的数字として出されています。これでは在宅で介護されている介護認定基準が正しく反映されているのだろうかという疑問です。在宅では要介護が軽度であったり、要支援1〜2が多いと思います。施設の調査が基準では在宅の基準には当てはまらないのではと思っています。判定結果を見ていて判定がどうも軽度に出てきているようです。

淑徳大学の結城康博準教授の調査では15自治体5049人のうち、2118人(43%)がコンピューターによる1次判定が従来の要介護度より軽度に判定されている。非該当も多くなっていると指摘されています。重度に判定された人は20%。また問題なのは要支援2,要介護2,要介護3の人について2次認定審査会判定を経てもなおかつ、それぞれで34%、26%、27%が軽くなり、認定が軽度に傾いているという指摘です。審査委員会に出ていて私もこのように感じております。

6ヶ月間は経過措置が行われますが、その後はどうなっていくのか見守って行きたいと思っています。