大阪社保協FAX通信   843号 2009.5.25

大阪府「訪問介護サービスQ&A」を全面改正させた運動の到達点を踏まえ不当なサービス制限を許さず利用者本位のサービス実現へさらに前進しよう〜大阪社保協介護保険対策委員会がアピール発表。

大阪府は2007年8月より「訪問介護サービスQ&A」を介護事業所におしつけ、利用者から様々なホームヘルプサービスのとりあげをおこなってきました。大阪社保協・介護保険対策委員会とよりよい介護をめざすケアマネジャーの会のさまざまな運動で、今年4月、全面改正をさせることができました。

本日、介護保険対策委員会がアピールを発表しましたので以下掲載します。

なお、改正版Q&Aはメール配信のFax通信には添付していますが、Fax配信の方にはページが大量となるためつけておりません。全文ほしいかたはご連絡ください。なあ、大阪社保協ホームページには本日アップしますのでぜひご覧ください。

 

訪問介護サービスQ&Aを全面改正させた運動の到達点を踏まえ

不当なサービス制限を許さず利用者本位のサービス実現へさらに前進しよう

       2009525日 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員会

はじめに

 大阪社保協が、1年半以上にわたり「修正・撤回」を求めていた大阪府の「訪問介護サービス内容に関するQ&A」(以下大阪府Q&A)が、今年4月についに「全面改正」となりました。

何度も要請・要望と担当課交渉を繰り返し、府内自治体調査、ケアマネジャー・ヘルパーアンケートや決起集会の開催など、実に多くの取り組みを背景に国会(参議院厚生労働委員会)と大阪府議会での質問を通じて大阪府を追い詰め、その誤りを認めさせ、全面書き換えにいたったものであり、大阪社保協の運動の大きな成果です。

まだまだその内容は不十分な点も多く、今後の改善課題もありますが、大阪における介護保険サービス制限の「ローカルルール」というべき大阪府Q&Aを現場からの声と運動の力によって全面的に書き換えさせたことの意義はきわめて大きいものがあります。

.あれもダメこれもダメの「大阪府訪問介護サービス内容に関するQ&A」

 大阪府は、2007年8月、居宅介護支援事業者集団指導の場で新たな「Q&A」(「訪問介護サービス内容に関するQ&A」)を配布しました。

その内容は、ヘルパーの行うサービス内容について従来大阪府が認めていたことも否定し事細かな制限や禁止を持ち込むものでした。身体介護では、通院の帰りに道沿いにあるスーパーや商店に立ち寄って買物をすることは「不可」。さらに、生活費を出金するために金融機関へ行く場合も銀行の中では「当該施設のスタッフが対応すべきであり算定できない」となっていました。また、認知症の利用者が精神的に不安定になったとき落ち着くために外出すると、気分転換のための外出は介護保険の対象にならないという扱いでした。外出先でも、社会保険庁へ年金調査に行くための介助は認めるが、警察・裁判所はダメという訳の分からない線引きを持ち込んできました。

生活援助(家事援助)では、利用者宅における電球や掛け時計の電池の交換は対象となるとしながら「季節的に使用する冷暖房機の出し入れや掃除」は「できない、介護保険外と考える」という内容でした。

 このQ&Aは、大阪府の行う事業者指導の一般指針であったため、大阪社保協が当時大阪府に対し情報公開させた資料で調べたところ、大阪府が07年8月から08年2月までに実地指導を行い結果通知を出した訪問介護事業所95ヶ所のうち38ヶ所がサービス内容に関して「不適切」とされ、報酬返還を指導されていました。

 また、同時期に大阪社保協が行った自治体に対するアンケートでも、一部では大阪府Q&Aで「できない」とされているサービス行為を「可能」としている例もありましたが、多くは「大阪府どおり」とし、府内全体の訪問介護サービスの不当な制限に結びついている実態が明らかになりました。

. 大阪社保協のたたかいの経過

@ 大阪府に制限撤回を要求し交渉 

 大阪社保協は、2007年10月、大阪府に対して「介護保険サービスについての質問・要望」を提出し、同年11月には、多くのケアマネジャーの参加で、大阪府の担当課と懇談(交渉)を行い、要望に対する基本回答を示させ、事実上の一部修正とともに、QAは絶対的な基準でなく、具体的な判断は、各保険者によるという確認を行わせました。

 しかし、大阪府が交渉の席上では、口頭確認を行うものの、文章化されたQ&Aをそのままにしているため、2008年1月、大阪府に対し改めて「訪問介護サービス内容に関するQ&A集訂正を求める要望書」を提出しました。これに対し、大阪府は、事業者集団指導で必要な訂正と補足説明を行う旨回答してきました。

ところが、2008年5月の事業者手段指導で大阪府が行ったのはQ&Aのわずかな訂正と口頭説明だけでまったく不十分なものでした。

 

A 国会、府議会での追及 不当な制限撤回を求めさらに交渉

2008年5月20日、参議院厚生労働委員会で、日本共産党の小池晃議員が、大阪府のQAを取り上げ、政府の見解を質しました。

質問に対し厚生労働省(老健局長)は、「御指摘のように、法令に定める基準以上の内容を仮にこういう形で指導しておるとすれば問題である」と答え改善を約束しました。さらに、舛添厚生労働大臣は、「こういうたぐいのマニュアルについては調査したい」と約束しました。

大阪社保協では、この国会質疑を受けて、5月28日、大阪府に改めて「訪問介護サービス内容に関するQA撤回要求」を提出しました。

さらに08年7月14日、大阪府議会健康福祉常任委員会で、黒田府議(日本共産党)がQ&A問題を質問したところ、大阪府は「訂正も含め検討」と答弁しました。

同年88日、大阪社保協は、現場のケアマネジャー・ヘルパー代表とともに、大阪府健康福祉部地域福祉推進室と話し合いを行い、Q&Aについて、書き換えを行うことを約束させました。また、書き換えは一方的に行うのでなく、案の段階で提示し、意見を聞くように申入れ、大阪府側も了承しました

 

B 大阪府の書き換え案も問題点指摘し修正させる

08年929日に大阪府担当課は、大阪社保協に対し「Q&A改正案」の提示を行いました。その内容は、紋切り型表現を改めるなど改善点はあったものの、多くのサービスについて、提供の要件として「保険者の判断を得る」ことにしていたため、結果として、市町村ごとのローカルルールを促進しかねないものであり、ケアマネジャーの裁量や判断を大きく制約するという問題を持っていました。

大阪社保協として、同年1021日に、「Q&A改正案についての意見」を大阪府担当課に提出し、詳細に問題点を指摘し、具体的な書き換え案も提示しました。大阪府側は、「さらに検討する」と返答しました。

そして、2009年3月23日に、大阪府は2度目の「改正案」を提示し、4月の介護保険事業者集団指導での配布となったものです。

.訪問介護サービスで焦点となっていた内容で貴重な前進

 改正されたQ&Aは、不当なサービス制限につながるとして大阪社保協が指摘していた部分について変更が加えられ、またそのほとんどはケアマネジャーの適切なマネジメントにより提供可能と読み取れる内容に書き換えられました。

 とくに、昨年9月時点で大阪府が提示した書き換え案にあった「保険者の判断を得る」という要件は、一部を除いて大半が削除され、ケアマネジャーの適切なマネジメントによりサービス提供が可能な表現に改められました。

 具体的には次のとおりです。

 

@     通院の帰り道の立ち寄り

07年8月のQ&A(以下「旧QA」)では、「医療機関からスーパー等への移動の介助」は、ケアプランに位置づけられても、保険給付の「対象外」としていましたが、今回の改正後のQ&A(以下「改正Q&A」)では、院外処方箋に基づく保険薬局への立ち寄り、飲料水の購入やトイレの借用など当日の心身の状況から必要となる立ち寄りは、通院・外出介助の一連のサービス行為として給付対象であることを明確にしました。

さらに、「通院と買物」「複数医療機関」など複数目的地については、「保険者の判断」が得られれば可能としました。「保険者判断」が残ったものの、初めて外出介助で複数目的・複数ヶ所の外出先を認めたことは大きな前進です。

A     公共機関・施設への外出介助

Q&Aでは、「警察、裁判所」については、外出介助の対象外とし、一方で年金調査のため社会保険庁等にいくのは可能とするという勝手な線引きがありましたが、改正Q&Aでは、こうした勝手な選別をやめて「市役所等官公署・公共施設への申請・届出等」とまとめられ、利用者の日常生活上、社会生活上必要な用件」である場合は、外出介助として介護報酬を算定できるという原則を明確にしました。ここでは、保険者判断は「(判断に迷う場合は保険者に確認の上)」とカッコ書きになりました。

B     散歩同行介助

Q&Aは、認知症の利用者が落ち着くための外出や、医師の指示による下肢筋力低下防止のための外出の介助などもすべて「対象外」とする全面否定でしたが、改正Q&Aでは、「適切なケアマネジメントに基づき、自立支援、日常生活活動の向上の観点から、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うものについては、算定可能」としました。昨年12月に政府・厚生労働省が国会議員の質問趣意書に回答した内容ですが、都道府県として、明確に散歩同行介助を「保険給付の対象」と明記したことは画期的です。とくに、保険者確認も医師の指示等も特段の記載はなく、大阪府が事象者集団指導でのべたように「適切なケアマネジメント」によれば可能というものであり、ケアマネジャーの専門性と裁量をより尊重したものとなりました。また、「散歩介助」が、訪問介護サービスの中で身体介助として位置づけられている「自立支援のための見守り的援助」(厚生労働省通知老計第10号)に該当することを明確にしたことも大きな意義があります。

C     入院中の人への見舞いの外出介助

Q&Aでは、入院中の人の見舞いのための外出介助については、「算定できない」と決め付けていましたが、新Q&Aでは、家族(配偶者等)が入院している場合の頻繁でない見舞いについて、日常生活上必要性が認められる場合については「算定できる」という柔軟な考え方を示しました。

D     通院介助での昼食の食事介助

Q&Aでは、昼食時間帯をまたがる通院介助における食事同席について、訪問介護の「対象外」と片付けていましたが、改正Q&Aでは、日常的に食事介助が必要な利用者の場合は、その食事介助の時間も含めて給付費が「算定できる」としました。

E     冷暖房気の出し入れ

Q&Aでは、冷暖房器の出し入れや掃除について、「できない」と切捨てていましたが、改正Q&Aでは、特段の技術や手間を必要とせず行うことが可能なものは「算定の対象」としました。

ここでは、「冷暖房器の出し入れや掃除」が日常的に行われる家事の範囲を超える行為」に類すると考えられるとしながら、当該行為が特段の技術や手間を必要とせずに訪問介護員が行うことが可能なもので、日常的に行われる家事の範囲であると考えられる場合は「算定の対象とできる」と非常に回りくどい表現でしかも「判断に迷う場合は保険者に確認されたい」とされており、今後自治体レベルでの運用がカギになります。

F     家具・電気器具の移動 

Q&Aでは、家具・電気器具の移動について、「算定できない」と、まるでヘルパーは家具・電気器具をまったく動かせないような表現でしたが、改正Q&Aでは、「日常的に行われる家事の範囲を超えると考えられる場合は、介護給付費の算定の対象にはならない」としつつ、「日常的な掃除の際に、椅子やコタツ等を一時的に移動する等の行為は、日常的に行われる家事(掃除)の範囲」として「算定の対象として差し支えない」としました。

G     視覚障がい者への代筆・代読

視覚障がい者への代筆・代読は旧Q&Aでは、「それのみでは生活援助に該当しない」としていましたが、改正Q&Aでは、訪問介護サービスに付随するサービス準備・記録等においておこなう相談・援助、情報収集・提供行為として説明、読み聞かせを行った場合はその時間を含めて給付費算定ができるとしました。ホームヘルパーが行う直接の身体介助・生活援助サービスだけでなく、付随する機能として「相談・援助、情報収集・提供行為」としてこうした幅広い生活支援を位置づけたことの意味は大きいものがあります。

Hその他の内容 

 これらの他にも、旧Q&Aが、「できない」という紋切り型の否定的な回答が多かったことを改正Q&Aでは、書き方を改め、各設問に対する回答の考え方等について、国通知等の根拠を示すなど、わかりやすい表現に改めるとともに、可能な範囲で具体的事例に即した対応ができるような努力がなされました。

. Q&A書き換えの成果を府内すべてのケアマネジャーと訪問介護現場に反映させ、利用者本位のサービス実現へ 

 

周知・活用はこれからの課題

 

Q&Aは改正されましたたが、大阪府内のケアマネジャーや訪問介護事業所の中には、未だに改正内容を知らず、旧Q&Aによる一律サービス制限に縛られたサービス提供を行っている事業所が少なくありません。

大阪府の集団指導での説明も、この全面改正について「内容を充実した」「わかりやすくした」等とはのべていますが、旧Q&Aの記載についてその誤りを明言しなかったため、「従来と変わっていない」という受け止め方もあります。

したがって、改正Q&Aをケアマネジャーや訪問介護事業所、ヘルパーに知らせ、適切なマネジメント、適切な訪問介護サービス計画に具体化し、実践していくことはこれからの課題です。

大阪社保協として、府内のケアマネジャー、訪問介護事業所に対し、Q&A改正の意義と内容について知らせる活動を取り組みます。

 

市町村(保険者)段階での不当な制限の打破を

これまで、府内の保険者の中には、給付適正化の下で、旧Q&Aを理由に必要な訪問介護サービスを制限し、場合によっては旧Q&A以上に厳しいサービス制限を指導したところもあります。

今回の改正Q&Aの趣旨は、「個別事例においては利用者の心身の状況や生活環境が様々であり、介護保険適用についても臨機の対応が必要な場合」もあることを踏まえ、Q&Aの「各設問について、その具体的な考え方や根拠も含め、できるだけ詳細に説明する必要があるとの考えから、全面的に改正することといたしました。」(大阪府介護保険指定事業者集団指導での大阪府事業者指導課の説明)というものです。したがって、適切なマネジメントに基づき、利用者の日常生活に必要な内容の訪問介護サービスを提供するという原則に基づき、現実的かつ柔軟な対応が求められます。

とくに「実際に提供されるサービスは、利用者の心身の状況、生活環境等の違いから様々な対応が必要」(同説明)としているように、市町村が利用者の個別の状況、必要性を無視した対応を行うことがないよう、大阪社保協として、府内の全自治体に対し、働きかけを行っていく必要があります。

利用者本位と自立支援の適切なマネジメントへ

 今回の大阪府Q&A改正の意義は、個々に不十分な点はあったとしても、全体として「適切なマネジメント」にもとづく個別の適用を尊重するという姿勢が明確になったことです。ケアマネジャーや訪問介護事業所、そしてサービス提供責任者やホームヘルパーにも、適切なマネジメントに基づき、利用者の日常生活に必要な内容の訪問介護サービスを提供するという原則に基づく実践が求められます。

 

大阪社保協として、改正QAそのものを利用者本位に、正しく活用・発展させる取り組みを行います。

具体的には 

@     ケアマネジャー・ヘルパー学習会を7月5日に開催します。

A     「大阪府Q&Aはなぜ改正されたか〜利用者本位のホームヘルプサービスめざして〜」(仮称)ブックレットを作成し発行します。

B     訪問介護サービス内容についてのケアマネジャー・訪問介護事業所アンケートを実施し、実態を報告書にまとめます

C     府内市町村に対し、改正Q&Aの趣旨を踏まえや運用を行うよう要請するとともに周知運用の調査を実施します

おわりに

 大阪府版ローカルルールを打ち破った取り組みは、「現場の声が制度・行政を動かす」ことを実例で示しました。

 今後は、この成果を確実なものにするとともに、要介護認定の見直しなど制度の改悪・後退を許さず、利用者本位の介護実現のための全国的運動へと発展させていくことが重要です。

 

(参考)大阪府「訪問介護サービス内容に関するQA」に対する大阪社保協の取り組み

2007年 8月23日 大阪府居宅介護支援事業者集団指導でQ&A配布

      10月17日 大阪社保協、「介護保険サービスについての質問・要望」を提出

11月22日 大阪府担当課と懇談

      大阪府基本回答示す。懇談のやり取りを通じて確認

12月  大阪社保協、懇談議事録をHPに公表、府内自治体にも送付

2008年 1月29日 大阪社保協「訪問介護サービス内容に関するQ&A集訂正を求める要望書」を提出

      2月29日 大阪府が文書回答 「5月の集団指導で補足説明行う」

             大阪社保協、府内自治体訪問介護サービスのアンケート

      3月23日 大阪社保協、サービス制限を考えるシンポジウム

      5月20日 国会(参議院厚生労働委員会で大阪府Q&A取り上げられる。厚労省「問題である。調査する」と答弁

21日 事業者集団指導で大阪府がQ&A一部訂正、補足説明

28日 大阪社保協、Q&A撤回要望提出

      7月14日 大阪府議会(健康福祉常任委員会)でQ&A問題質疑

            大阪府「訂正も含めて検討する」と答弁

      8月 8日 大阪府健康福祉部と話し合い 大阪社保協「訂正要望書」と「質問書」提出

            大阪府は「Q&A書き換え」を約束。事前に案を提示することも確認

      9月29日 大阪府「Q&A改正案」を大阪社保協に提示

     10月21日 大阪社保協、府改正案に対する「意見」を提出、改正案の問題点指摘し改善もとめる

2009年 3月23日 大阪府「Q&A改正案」を提示

      4月22日 大阪府介護保険事業者集団指導で「新Q&A」を配布

(参考資料) 09年4月介護保険事業者集団指導での大阪府説明)

昨年の集団指導でお示しした「介護保険サービスに係るQ&A集」別添「訪問介護サービス内容に関するQ&A」について、内容を充実し改めて提示することとしました。
●このQ&Aは、訪問介護サービスに関して、大阪府に寄せられる問合せ等について、通常想定される一般的な事例としてQ&A形式で大阪府の見解等を示したもので、個別事例においては利用者の心身の状況や生活環境が様々であり、介護保険適用についても臨機の対応が必要な場合もあります。このため、各設問について、その具体的な考え方や根拠も含め、できるだけ詳細に説明する必要があるとの考えから、全面的に改正することといたしました。もちろん、実際に提供されるサービスは、利用者の
心身の状況、生活環境等の違いから様々な対応が必要と考えられ、それらの全てを、このQ&Aで説明することはできませんので、より具体的な個別事例の対応については、保険者に相談する等により適正なサービス提供に努めていただくようお願いします。
●それでは、主な改正内容について若干補足説明させていただきます。
●まず身体介護について、1番の「通院の帰りの立ち寄り」ですが、院外処方箋による薬局への立ち寄りや当日の心身の状況による飲料水の購入に加え、トイレの利用等についても当該通院の一連のサービスの範囲と考えられるサービスということで、対象として差し支えない旨明記しました。また、通院後に通院とは直接関係のない「買い物」への立ち寄りであるとか、通院後さらに「別の医療機関」へ通院する等については、その必要性、合理的理由などについて、個別具体のケースごとに判断する必要があることから、保険者に相談のうえ、その判断を得て、場合によっては対象となる場合もあるとの考えを記載しました。ただし、病院からスーパーマーケット等への居宅を介さない移動のみの介助については、介護報酬は算定できませんのでご留意ください。
●次に6番ですが、以前のQ&Aでは、外出介助として、「警察・裁判所への出頭」あるいは、「年金調査のため社会保険庁への調査」というものが記載されておりましたが、これらをまとめて6番の「市役所等官公署・公共施設への申請・届出等」としました。基本的には「利用者の日常生活上、社会生活上必要な用件」である場合は、外出介助として介護報酬を算定できますが、この場合、その対象となる施設や用件の範囲について、利用者個々人の心身の状況や生活実態等により日常生活における必要性が異なるので、個別の事例についてその必要性を明確にしたうえで、ケアプランに位置づけてください。
●次に、79ページ左の8番のいわゆる「散歩の同行」につきましては、皆さんもご存知のとおり、昨年12月に参議院質問主意書・答弁書において、国が示したものであり、適切なケアマネジメントに基づき、自立支援、日常生活活動の向上の観点から、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うものについては、算定可能ということです。したがいまして、散歩に限ったことではありませんが、適用にあたっては利用者の心身の状況、生活環境等から適切なアセスメントを行ったうえで、解決すべき課題
と援助目標を明確に設定し、他のサービスの検討も含めた適切なマネジメントにより、日常生活上の援助として真に必要不可欠としてケアプランに位置付けられる場合に限り適用されるということです。適用の理由として、単に利用者の希望のみでは適切なマネジメントに基づいているとは言い難いのでご注意ください。
●次に、80ページからの「生活援助」についても、各設問に対する回答の考え方等について、国通知等の根拠を示すなど、わかりやすい表現に改めるとともに、可能な範囲で具体的事例に即した対応ができるよう、分かりやすい説明に努めたところです。 
●また、81ページには、これらの考え方をよりご理解いただくために、関係法令や関係通知について、ごく一部の抜粋ではありますが、掲載しましたので、これらを参考に、今後とも適正なサービス提供に努めていただくようお願いします。     

 

 

別 添

訪問介護サービス内容に関するQ&A

(平成21年4月改正版)

※ このQ&Aは、「平成20年度介護保険指定事業者集団指導」資料(69ページから)に掲載の「介護保険サービスに係るQ&A集」に別添として収録(P11〜P14)したものを今回全面改正したものです。

  なお、当該Q&Aについても従前(Q&A集表紙に記載)のとおり、具体の個別事例によっては保険者の見解及び取扱いが異なる場合があるので、保険者に確認の上、サービス提供を行ってください。

1 身体介護

【利用者の居宅外で行われるもの

1

通院の帰りに、道沿いにあるスーパーや商店に立ち寄って買い物をする。

訪問介護は、「介護保険法第8条の定義上、要介護者の居宅において行われるものとされており、要介護者の居宅以外で行われるものは算定できない」とされ、また、訪問介護の通院・外出介助については、「利用者の居宅から乗降場までの移動、バス等の公共交通機関への乗降、移送中の気分の確認、(場合により)院内の移動等の介助などは要介護者の居宅以外で行われるが、これは居宅において行われる目的地(病院等)に行くための準備を含む一連のサービス行為とみなし得るためである。」(平成12年3月1日付け 老企第36号通知 第二の1(6))とされている。

 通院帰りの立ち寄りとして、例えば、院外処方箋に基づく保険調剤薬局(当該通院・外出の目的と直接関連するもの)や、水分補給を目的とした飲料水の購入、排泄のためのトイレの借用等(当日の心身の状況から必要となる立ち寄り)は当該通院・外出介助の一連のサービス行為の範囲とみなして介護給付費の算定対象として差し支えない。

 一方、「通院と買い物」や「複数の医療機関」など目的及び目的地が複数ある場合の通院・外出介助については、居宅を介した一連のサービス行為とみなし得るか個別のケースによって異なるため、介護給付費を算定する場合は、利用者の心身の状況を踏まえ、その必要性、合理的理由等について明確にした上で、保険者の判断を得てケアプランに位置付けられたい。

なお、「通院等のための乗車又は降車の介助」については、居宅でのサービス提供を含む往路、復路それぞれが独立したサービス提供として介護給付費の算定が行われるため、居宅外から居宅外(病院⇒スーパー等)への移送に伴う介護については介護給付費を算定することはできない。

2

病院、診療所、あんま、マッサージ、整復の施術所、整骨院、針鍼灸等へ自費で通う。

 医療保険対象か否かではなく、@その通院が日常生活上必要かどうか、A要介護者等の身体の状況等から通院のための介助が必要かどうか、この二点を満たすかどうかで個別的に判断する必要がある。ただし、治療のためではなく単なる慰安を目的とするものは介護給付費を算定することはできない。

3

利用者の希望により、遠方の特定した店へ買い物に行く。

 単に利用者の希望による場合は、介護給付費を算定することはできない。日常生活上必要な物品が、遠方まで行かなければ購入できないとは考え難いが、地域の特性等に応じてどうしても遠方へ行かなければ購入できない等のやむを得ない理由がある場合に限り介護給付費を算定することとして差し支えない。

4

利用者の趣味嗜好品を買いに行く。

 利用者の趣味嗜好品の買い物を目的とする外出介助については、日常生活上必ずしも必要な支援とは考え難いことから介護給付費を算定することはできない。また、生活援助における買い物代行についても同様である。なお、趣味嗜好品とは、日常生活上必要な日常品と考え難い物。例えば、宝くじ、中元・歳暮の品、酒、たばこ等。

5

就労就学、所属する団体の定期大会(株主総会など)参加、などのため外出する。また、外出先での介助を要する。

訪問介護は、利用者の居宅において行われる入浴、排泄、食事等の介護その他日常生活上の世話をいい、居宅外におけるサービス提供は、一部の例外(通院・外出介助)を除いて介護給付費を算定することはできない。就労就学、所属する団体の定期大会参加にかかる外出介助及び外出先での付添介助については、日常生活上の世話にあたらないため介護給付費を算定することはできない。

6

市役所等官公署・公共施設へ申請・届出等の手続きに行かなければならない。

 利用者の日常生活上、社会生活上必要な用件(申請、届出等生活上必要な手続き)である場合は、外出介助(当該施設内における単なる待ち時間及び当該施設スタッフが対応するものは除く。)として介護給付費を算定することができる。なお、対象となる官公署・公共施設やその用件の範囲については、利用者個々人の心身の状況や生活実態等により日常生活における必要性が異なるので、個別の事例についてその必要性を明確にした上で(判断に迷う場合は保険者に確認の上)ケアプランに位置付けられたい。

生活費を出金するために金融機関へ行く。

 利用者の生活に必要不可欠のものであれば、外出介助として介護給付費を算定することができる。(金融機関内における単なる待ち時間及び当該施設スタッフが対応するものは除く。)なお、金融機関内における利用者からの依頼による手続き代行(ATMの操作等)は、利用者の預金高や暗証番号等の重要な個人情報を取り扱うことから、できるだけ利用者本人が行うよう慎重に対応されたい。

近所を散歩する。

 散歩の同行については、適切なケアマネジメントに基づき、自立支援、日常生活活動の向上の観点から、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うものについては、利用者の自立した生活の支援に資するものと考えられることから、介護報酬の算定は可能である。

入院している知人や親類の見舞いに行く。

 知人や親類の見舞いのための外出の介助は、日常生活上の世話にあたらないため、介護給付費を算定することはできない。ただし、入院している家族(配偶者等)の見舞いであって、日常生活上必要性が認められる病院への頻繁でない見舞いであれば、その必要性、合理的理由について明確にした上でケアプランに位置付けることにより介護給付費を算定することとして差し支えない。

10

地域の催し(盆踊り、カラオケ大会など)への参加や、気分転換のための小旅行やドライブに外出する。

利用者の趣味趣向に関わる行為であり、日常生活上の世話にあたらないため、介護給付費を算定することはできない。

11

選挙の投票に行く。

 社会的事由(公民権の行使)による外出介助として日常生活上の世話にあたるため、介護給付費を算定することができる。

12

冠婚葬祭、墓参りなどのために外出する。

 冠婚葬祭への出席は、基本的には家族親戚若しくは地縁者等が介護を兼ねて同行するのが通例であり、当該外出の介助は、利用者の日常生活上の世話にあたらないため、介護給付費を算定することはできない。

13

通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活・療養介護のサービスを受けに行く。

 「通所サービス又は短期入所サービスにおいて、利用者の居宅と当該事業所との間の送迎を行う場合、当該利用者の心身の状況により当該事業者の送迎車を利用できないなど特別な事情がない限り、短期入所サービスの送迎加算を算定することとし(通所サービスは基本単位に包括)、『通院等のための乗車又は降車の介助』は算定できない」(平成12.3.1付け老企第36号通知 第二の2(8))とされている。なお、利用者の心身の状況等により当該事業所の送迎車が利用できない等の特別の事情がある場合は、適切なアセスメントに基づき、その必要性、合理的理由を明確にして、ケアプランに位置付けることにより、訪問介護で対応して介護給付費を算定することも可能である。ただし、通所サービスについては、すでに、通所介護費(通所リハビリ費)に送迎に要する費用が評価されていることから、訪問介護員等による送迎を、別途、訪問介護費として算定することはできない。

14

サービス選択のために、通所介護、通所リハビリ、介護保険施設、短期入所生活・療養介護などの施設を見学に行く。

 利用者の日常生活上の世話として、自由なサービス選択を促すために必要であると考えられるため、介護給付費を算定することができる。

15

リハビリを目的として、自費でプールに通う。

 医療施設や民間のリハビリを自費で通う場合の外出介助は、介護給付費を算定できるが、プール利用のための外出介助は、日常生活上の世話にあたらないため介護給付費を算定することはできない。

16

訪問理美容サービスが行われていない地域で、散髪に行く。

 一般的に単に散髪のための外出介助については、生活支援事業を活用されたい。なお、地域の状況を勘案し、他のサービス、ボランティア事業等の利用が困難な場合、例外的な行為として保険者の判断で介護給付費を算定することとして差し支えない。なお、この場合もケアプラン上、健康チェック、環境整備等の諸準備を含む一連の行為として行われることが前提である。

17

銭湯に行く。

居宅に浴室がない若しくは狭いため居宅において入浴介助ができない場合は、訪問入浴や通所介護等の利用を検討すべきである。個別事例において、利用者の心身の状況、生活環境等により、訪問入浴や通所介護等の方法により難い場合、適切なアセスメントに基づきその必要性、合理的理由等について明確にした上で、保険者の判断を得てケアプランに位置付けることにより、銭湯利用による入浴介助について介護給付費を算定することも可能である。なお、銭湯利用による入浴介助の実施にあたっては、事前に銭湯事業者の了解、事故が起こった場合の対応、訪問介護事業者(ヘルパー)の理解を得る等の調整をしておくことが必要である。

 

【その他身体介護】

18

居宅において、体操、歩行訓練などの運動を行う。

 利用者が居宅において行う運動等の介助は、日常生活上の世話にあたらないため介護給付費(訪問介護)を算定することはできない。目的が機能回復にあるのであれば、医療系サービスや通所系サービスを検討されるべきである。

19

ガーゼ交換やたん吸引等、家族が出来る医療行為を代わりに行う。

 一般的に医行為については、「訪問介護」ではなく「訪問看護」で対応されるべきである。なお、訪問介護員が行うことができると考えられる行為については、国の通知「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)」(平成17年7月26日付け 医政発第0726005号厚生労働省医政局長通知)が発出されているので参考とされたい。また、利用者本人や家族が医行為を行う際に、ヘルパーが側で身体を支える等、利用者や家族が医行為を行い易いように手助けすることは可能である。

20

通院介助で昼食時間帯をまたがる場合、利用者の希望により食事に同席する。

 通院介助は、病院への移動介助及び必要により院内での介助を行うものであるため、一緒に昼食を食べる時間はサービス提供時間に含まれない。ただし、日常的に食事介助が必要な利用者であって、適切なアセスメントにより、その必要性、合理的理由等について明確にした上でケアプランに位置付けることにより、食事介助の所要時間を含めて介護給付費を算定することができる。

2 生活援助

21

昼間独居の利用者の場合、家族の共有部分の掃除を行えるか。よい場合は、どの部分の掃除がよいのか。

共用部分の掃除は、一般的に介護保険の生活援助の範囲に含まれないと考えられる事例として、直接本人の援助に該当せず、家族が行うことが適当である行為とされている(平成12.11.16 老振第76号通知参照)「主として利用者が使用する居室等以外の掃除」にあたるため、基本的には介護給付費を算定することはできない。ただし、利用者本人の使用により汚してしまった場合のやむを得ない対応として掃除を行う場合は「直接本人の援助」と考えられ、介護給付費の算定の対象として差し支えない。

22

季節的に使用する冷暖房器の出し入れや掃除をすることは可能か。

 一般的に介護保険の生活援助の範囲に含まれないと考えられる事例の「日常的に行われる家事の範囲を超える行為」として「家具・電気器具の移動、修繕、模様替え」が示されている。冷暖房器の出し入れや掃除もこれに類する行為と考えられるが、個別の事例において、当該行為が特段の技術や手間を必要とせずに訪問介護員が行うことが可能なもので、日常的に行われる家事の範囲であると考えられる場合は介護給付の算定の対象として差し支えない。なお、判断に迷う場合は保険者に確認されたい。

23

台所の換気扇の掃除は行えるか。

一般的に介護保険の生活援助の範囲に含まれないと考えられる事例の「日常的に行われる家事の範囲を超える行為」として「大掃除、窓ガラス磨き」が示されている。換気扇やレンジフードの掃除もこれに類する行為と考えられ、介護給付費を算定することはできない。

24

生活援助(調理)のサービスとして、弁当を購入してもよいか。

 生活援助のサービスとして「一般的な調理」が位置付けられているにもかかわらず、弁当を購入して届けるという方法により食事を提供することは生活援助(調理)のサービスの提供にはあたらない。また、弁当を購入して届けるという方法をもって当該サービス提供の目的が達成できるのであれば、市の配食サービス等の利用を検討すべきである。

25

利用者が独居の場合、庭の掃除、草抜き、窓磨きなどは算定対象となるか。

 一般的に介護保険の生活援助の範囲に含まれないと考えられる事例として、「草むしり」、「窓ガラス磨き」、「植木の剪定等の園芸」等が示されており、利用者が独居であるかどうかに関わらず、日常生活上の援助に該当しないため、介護給付費を算定することはできない。なお、利用者の居室であって、窓の埃をとるため軽く窓拭きをする等日常の掃除の範囲内と考えられる行為については介護給付費の算定の対象として差し支えない。

26

利用者が毎日の掃除機かけなどのサービスを希望している場合、算定可能か。

 日常的に行われる範囲で、利用者の心身の状況から必要と考えられる場合は介護給付費の算定の対象とすることができる。ただし、本人の希望のみによる提供ではなく、適切なアセスメントの結果に基づくケアプランに位置付けられたサービスであることが必要である。

27

利用者宅における、家具、電気器具等の移動、また模様替えは算定対象となるか。

 一般的に介護保険の生活援助の範囲に含まれないと考えられる事例の「日常的に行われる家事の範囲を超える行為」として、「家具・電気器具の移動、修繕、模様替え」が示されており、日常的に行われる家事の範囲を超えると考えられる場合は、介護給付費の算定の対象にはならない。例えば、日常的な掃除の際に、椅子やコタツ等を一時的に移動する等の行為は、日常的に行われる家事(掃除)の範囲として介護給付費の算定の対象として差し支えない。

28

利用者宅における電球や掛け時計の電池の交換は対象となるか。

 同居家族がいるならば、家族が行うべきと考えられる。利用者が独居の場合や、同居家族が障がい、疾病その他やむを得ない事情により対応が困難な場合は、当該行為が特段の技術や手間を必要とせずに訪問介護員が行うことが可能なものであれば、「日常生活の援助」に該当する行為として介護給付費の算定の対象となる。

29

予定していた時間よりも家族が早く帰宅した場合、サービス提供は出来るか。

 サービス提供中に、同居家族がたまたまその日、何らかの理由で予定時刻より早く帰宅した場合でも、訪問介護計画に基づきサービスを提供し、介護給付費を算定して差し支えない。

30

独居の利用者が居住している集合住宅のエレベーターの掃除は、生活援助としてサービス提供できるか。

一般的に介護保険の生活援助の範囲に含まれないと考えられる事例の「『直接本人の援助』に該当しない行為」として、「主として利用者が使用する居室等以外の掃除」が示されており、集合住宅のエレベーターの掃除もこれに該当することから介護給付費を算定することはできない。ただし、利用者本人の使用により汚してしまった場合のやむを得ない対応として掃除を行う場合は「直接本人の援助」と考えられ、介護給付費の算定の対象として差し支えない。

31

独居で使っていない部屋の掃除は対象となるか。

 一般的に介護保険の生活援助の範囲に含まれないと考えられる事例の「『直接本人の援助』に該当しない行為」として、「主として利用者が使用する居室等以外の掃除」が示されており、独居であっても介護給付費の算定の対象とはならない。

32

独居の利用者が飼っている犬の散歩ができるか。

一般的に介護保険の生活援助の範囲に含まれないと考えられる事例の「『日常生活の援助』に該当しない行為」として、「犬の散歩等ペットの世話」が示されており、独居であっても介護給付費を算定することはできない。

33

視覚障がい者への代読や代筆は生活援助として算定可能か。

 代読・代筆は、介護保険の「日常生活の援助」に該当しない行為であり、身体介護にも該当しないことから、当該行為のみをもって介護給付費を算定することはできない。障がい福祉サービスやボランティア等他の手段の活用を検討されたい。ただし、訪問介護の提供に付随する「サービス準備・記録等」において行う「相談援助、情報収集・提供」行為として、新聞、チラシ、郵便物、回覧板等の短時間の説明や読み聞かせ等を行った場合については、これに要した時間を含め介護給付費を算定して差し支えない。

34

引越しの荷造りについて、生活援助として算定可能か。

 日常的に行われる家事の範囲を超える行為であり、「日常生活の援助」とは考えられないため、介護給付費を算定することはできない。

35

一人のヘルパーで対応できるが、本人の申し出により、二人のヘルパーを派遣することは可能か。

 同時に2人の訪問介護員が1人の利用者に対して指定訪問介護を行ったときであっても、「別に厚生労働大臣が定める要件」を満たさない場合、所定単位数の100分の200に相当する介護給付費を算定することはできない。ここでいう「別に厚生労働大臣が定める要件」とは、国の告示(「厚生労働大臣が定める者」(平成12年2月10日付け厚告第23号))により、

イ 利用者の身体的理由により一人の訪問介護員等による介護が困難と認められる場合。

ロ 暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等が認められる場合。

ハ その他利用者の状況等から判断して、イ又はロに準ずると認められる場合。

とされている。実施にあたっては、適切なアセスメントに基づきケアプランに位置付けられ、利用者又はその家族等の同意が得られている必要がある。なお、具体的事例が、前記イ、ロ、ハに該当するかの判断がつかない場合は、保険者に確認されたい。

36

認定調査の立会いをヘルパーにしてもらえるか。

 認定調査に際しては、できるだけ正確な調査が行えるよう、家族等の調査対象者の日頃の状況を把握している者に立ち会ってもらうことが重要であるが、調査対象者本人が訪問介護員の立ち会いを希望した場合であっても、立ち会い行為は、日常生活の援助にはあたらないため介護給付費を算定することはできない。

 

 

3 参考となる関係法令・通知等

T「訪問介護」とは

○ 介護保険法第8条第2項

「訪問介護」とは、要介護者であって、居宅(中略)において介護を受けるもの(以下「居宅要介護者」

という。)について、その者の居宅において介護福祉士その他政令で定める者により行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他日常生活上の世話であって、厚生労働省令で定めるもの(夜間対応型訪問介護に該当するものを除く。)をいう。

 介護保険法施行規則第5条

 法第8条第2項の厚生労働省令で定める日常生活上の世話は、入浴、排せつ、食事等の介護、調理、洗濯、掃除等の家事(居宅要介護者(同項に規定する居宅介護者をいう。以下同じ。)が単身の世帯に属する又はその同居している家族等の障害、疾病等のため、これらの者が自ら行うことが困難な家事であって、居宅要介護者の日常生活上必要なものとする。(中略))、生活等に関する相談及び助言その他の居宅要介護者に必要な日常生活上の世話とする。

 

U 居宅サービスの提供範囲

○「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成12年3月1日 老企第36号 厚生省老人保健福祉局企画課長通知)(抜粋)

第二 居宅サービス単位数表に関する事項

1 通則

(6) 訪問サービスの行なわれる利用者の居宅について

    訪問介護(中略)は、介護保険法第8条の定義上、要介護者の居宅において行なわれるものとされており、要介護者の居宅以外で行なわれるものは算定できない。例えば、訪問介護の通院・外出介助については、利用者の居宅から乗降場までの移動、バス等の公共交通機関への乗降、移送中の気分の確認、(場合により)院内の移動等の介助などは要介護者の居宅以外で行なわれるが、これは居宅において行なわれる目的地(病院等)に行くための準備を含む一連のサービス行為とみなし得るためである。居宅以外において行なわれるバス等の公共交通機関への乗降、院内の移動等の介助などのサービス行為だけをもってして訪問介護として算定することはできない。

 

V 「身体介護」と「生活援助」について

○「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」(平成12年3月17日 老計第10号 厚生省老人保健福祉局老人福祉計画課長通知)(抜粋)

1 身体介護

  身体介護とは、(1) 利用者の身体に直接接触して行なう介助サービス(そのために必要となる準備、後片づけ等の一連の行為を含む)、(2) 利用者の日常生活動作能力(ADL)や意欲の向上のために利用者と共に行う自立支援のためのサービス、(3) その他専門的知識・技術(介護を要する状態となった要因である心身の障害や疾病等に伴って必要となる特段の専門的配慮)をもって行う利用者の日常生活上・社会生活上のためのサービスをいう。(仮に、介護等を要する状態が解消されたならば不要となる行為であるということができる。)

2 生活援助

  生活援助とは、身体介護以外の訪問介護であって、掃除、洗濯、調理などの日常生活の援助(そのために必要な一連の行為を含む)であり、利用者が単身、家族が障害・疾病などのため、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行なわれるものをいう。(生活援助は、本人の代行的サービスとして位置づけることができ、仮に、介護等を要する状態が解消されたとしたならば、本人が自身で行うことが基本となる行為であるということができる。)

※ 次のような行為は生活援助の内容に含まれないものであるので留意すること。

(1) 商品の販売・農作業等生業の援助的行為

(2)  直接、本人の日常生活の援助に属さないと判断される行為

 

W 生活援助の範囲に含まれないと考えられる事例の取扱い

○「指定訪問介護事業所の事業運営の取扱等について」(平成121116日 老振第76号 厚生省老人保健福祉局振興課長通知)(抜粋)

2 保険給付として不適切な事例への対応について

  指定訪問介護事業者が、利用者宅への訪問時に、別紙に掲げる一般的には介護保険の生活援助の範囲に含まれないと考えられる事例のように、保険給付として適切な範囲を逸脱したサービス提供を求められた場合や、生活援助中心型を算定できない事例において生活援助中心型の訪問介護を求められた場合における、指定基準第九条の運用については、以下のとおり取り扱うこととする。

@   訪問介護員から利用者に対して、求められた内容が介護保険の給付対象となるサービスとして適当でない旨を説明すること。その際、利用者が求めているサービスが保険給付の範囲として適切かどうかや、生活援助中心型の訪問介護の対象となるかどうかについて判断がつかない場合には、保険者(市町村)に確認を求めること。

 なお、担当の訪問介護員の説明では利用者の理解が得られない場合には、サービス提供責任者が対応すること。

A   利用者が、保険給付の範囲外のサービス利用を希望する場合には、訪問介護員は、居宅介護支援事業者又は市町村に連絡することとし、希望内容に応じて、市町村が実施する軽度生活援助事業、配食サービス等の生活支援サービス、特定非営利活動法人(NPO法人)などの住民参加型福祉サービス、ボランティアなどの活用を助言すること。

B                @及びAの説明を行っても、利用者が保険給付の対象となるサービスとしては適当でないサービス提供を求めた場合には、指定訪問介護事業者は、求められた内容のサービス提供を行なわずとも、指定基準第九条には抵触しないものと解する。

  なお、これらの保険給付の範囲外のサービスについて、利用者と事業者との間の契約に基づき、保険外サービスとして、保険給付対象サービスと明確に区分し、利用者の自己負担によってサービスを提供することは、当然、可能である。

 また、こうした事例への対応については、居宅サービス計画の策定段階において利用者に十分説明し、合意を得ることが重要であることから、指定居宅介護支援事業者にあっても、十分に留意して居宅サービス計画の作成に当たることが必要である。

(別 紙)

 一般的に介護保険の生活援助の範囲に含まれないと考えられる事例

1.「直接本人の援助」に該当しない行為

主として家族の利便に供する行為又は家族が行うことが適当であると判断される行為

・ 利用者以外のものに係る洗濯、調理、買い物、布団干し

・ 主として利用者が使用する居室等以外の掃除

・ 来客の応接(お茶、食事の手配等)

・ 自家用車の洗車・清掃 等   

2.「日常生活の援助」に該当しない行為

@訪問介護員が行わなくても日常生活を営むのに支障が生じないと判断される行為

・ 草むしり

・ 花木の水やり

・ 犬の散歩等ペットの世話 等

A日常的に行われる家事の範囲を超える行為

・ 家具・電気器具等の移動、修繕、模様替え

・ 大掃除、窓のガラス磨き、床のワックスがけ

・ 室内外家屋の修理、ペンキ塗り

・ 植木の剪定等の園芸

・ 正月、節句等のために特別な手間をかけて行う調理等