大阪社保協FAX通信   817号 2008.12.19

本日の参議院本会議で国保法改正法が成立したのをうけてアピールを以下のように発表します。

 

国民健康保険改正法成立に当たって

本日12月19日、15歳以下の子どもには保険証返還を求めず6か月の短期保険証で対応するという国民健康保険改正法が成立した。

この改正法では16歳以上、つまり高校生が救済されないことや、1年間の通常証でないことなどの問題があるが、子どもたちの命を国として守る制度が前進したことを高く評価したい。

 

今回の法改正にあたっては、私たち大阪社会保障推進協議会が独自調査を行い、今年6月に「大阪で2000人のこどもたちが無保険に」と発信したことが発端となっている。

そしてこの調査のきっかけとなったのは、昨年10月に大阪で開催された「こどもシンポ」で知った保険証のないことを訴える6年生の声だった。「保険証ないねん、お父さん仕事ないねん、先生湿布くれ」と保健室で訴える子ども。このような子どもが大阪に沢山いるはずだと、4月に大阪府内市町村調査を実施した。

さらに毎日新聞が独自に大都市調査を行い、8月には全国に7000人をこえる無保険の子どもたちの存在が明らかとなり、厚生労働省が遂に全国調査へと動き、10月30日厚生労働省が「全国3万3千人のこどもが無保険」と発表した。予想はしていたが、この数字は、非常に深刻な数字であり、多くの人々が重くうけとめたはずである。その証拠にまず、自治体が一気に無保険のこどもの解消へと動き、そして野党もすばやく動き、国保改正法案提出され、今日に至った。

 

「こどもが生まれた家や育った地域によって医療が差別されるのはおかしい」

「こどもは親だけが育てるのではない。国や自治体や社会が育てるのだ」

 

私たちの当たり前の主張は、マスコミや政党もふくめ、多くの人々に支持され、運動が全国にひろがり、法改正を勝ち取った。

しかし、法律の施行は来年4月だ。インフルエンザも流行しはじめたいま、来年4月まで待ってはいられない。全国33千人の子ども達の手もとに確実に保険証がとどいているのかどうかを、私たちは住民運動にとりくむものとして監視を強めなければならない。

そして、たとえ保険証が届いても、医療費を負担できなければ医療は保障されないことを忘れてはならない。

子どもたちを守るためには、子どもたちを育てている親たちへの支援ぬきにはあり得ない。

国制度としてのこどもの医療費無料化とワーキングプア世帯への支援が急務である。

そして、低い所得に対して考えられないほど高額で理不尽な保険料を強いる国民健康保険制度の改善は待ったなしだ。

 

日本にいるすべての子どもたちのいのちと笑顔を守るための全国の大人たちのたたかいは、今日を大きなステップとして明日からさらに前進させていく必要がある。

国も自治体もマスコミも、そして私たちも、一緒になって子どもたちを守ろう。

何故なら、子どもたちは私たちの宝物であり、未来なのだから。

 

2008年12月19日   大阪社会保障推進協議会 事務局長 寺内順子