大阪社保協FAX通信   1097号 2015.3.14

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37日「大阪社保協第25回総会」に70人が参加。「地域に組織をつくり、運動を作り出そう」と意思統一

37日、「大阪社保協第25回総会」を開催、70人が参加し、2015年度の活動について意思統一しました。以下概要を紹介します。

★井上賢二・大阪社保協会長あいさつ

 今後の私たちの運動を考える時、安倍政権の暴走と橋下市長のいう「大阪都」構想を打ち破らなくては「21世紀は社会保障の花開く世紀に」は実現しません。

国民は広がる貧富の格差のなかで、生きていけない、暮らしていけない人たちが増えています。医療の現場では、窓口負担が高すぎて、治療を中断する人、75歳になっても清掃の仕事やパートで働いている人、国民年金だけでは家賃、医療費を払えば食べていけない人、両親が認知症になり、介護疲れで死にたいという人等々、生活、暮らしの相談が増えてきています。

昨年6月に可決された医療介護総合確保推進法では、団塊の世代が75歳を迎える2025年には高齢者が増え、社会保障費が膨大になると脅かし、いかに国の出費を抑えるか、手っ取り早いのは入院ベッド43万床を削減計画、昨年より高度急性期病院のベッド36万床を半分の16万床に減らす計画がスタートしました。癌や骨折で入院しても10日間ぐらいで追い出され、最終的には在宅で、往診、介護で最後まで面倒見てもらう。「川上から川下へ」「入院から在宅へ」「医療から介護へ」「介護からボランティアへ」と国にとっては安上がりの体制作りです。

今後医療費削減は都道府県に任せ、都道府県が地域医療ビジョンを作り、ベッド数や医療費の管理、医師や看護師の数まで決める事になります。国保も都道府県に一元化されます。

2025年にむけ「地域包括ケアシステム」が提案されていますが、まだ中身は定まっていません。「地域の実情に応じて、高齢者が自立した生活を営むことが出来るよう、医療、介護、予防、住まい、自立した日常生活支援が包括的に確保される体制」。中学校区単位で365日、24時間体制です。あくまでも「自助・互助」は基本。厚労省は介護職を毎年7万人確保、2025年には100万人確保というが、4月から介護報酬を下げる中で施設経営が出来ない、介護師が確保できないと、悲鳴が上がっています。

国の社会保障解体政策をしっかり学び、高齢者や低所得者が安心して地域で生活できるよう、国民皆年金、最低賃金の引き上げ、安い家賃住宅、安心してかかれる医療・介護制度の運動が益々必要になって来ています。

地域に住んでいる人たちと連携して、困っている人に手を差し伸べ、出来ることからやっていきましょう。地域社保協を空白地域で作っていきましょう。私たちの運動は当面、市町村や大阪府に要求をだす提案型の運動が必要になります。労働組合も地域でどんな活動が出来るのか考えてください。長年活動してきた社協とも連携した活動がもとめられます。課題別の運動から、「いのち・くらしを守る」運動に共同して取り組みましょう。

  2015年度の活動の柱安倍政権のもとで貧困と格差はますますひろがり、「払えない」「くらせない」「食べられない」人々が大量に生まれる。そのために活動は片手に「制度創設・拡充運動」片手に「具体的な支援」、両輪での活動を地域ですすめよう。

1.活動方針の柱〜地域に根差した要求にもとづいた組織をつくり、具体的な運動を作りだそう。

 

  (1)ブロックごとでの活動と休止中の地域社保協再開と新たな結成をめざそう

 (2)いままでつながりのなかった団体・個人との連携をひろげよう

 (3)自治体キャラバン行動のレベルアップをめざそう

 (4)具体的な相談活動・支援活動を地域・団体ですすめよう

2.課題ごとの運動(同時に自治体キャラバン行動の要望内容)

●介護保険

□介護保険料については、当面国が約束していた低所得者軽減(3割、4.5割、5割軽減)の一般会計投入による前倒し実施と独自減免制度の拡充、そして利用料については特に介護施設入所の時の補足給付がはずされる人たちへの独自減免制度の拡充を補正も含めて求めていきます。

□要支援はずしの新総合事業実施については猶予期間の中で、介護保険からの「卒業」を強要させないよう監視を強め、強く要請していきます。

□障害者の65歳問題については、昨年度のアンケート結果・懇談内容もふまえ、さらに実態をつかみ、2015218日発出厚労省通知(自立支援給付と介護保険制度との適用関係通知)を生かした取り組みを進めます。

●国民健康保険・医療

≪大阪府域地方税徴収機構≫

 □平成2015年度から2017年度の次元設置ですが、「大阪府域地方税徴収機構」が立ち上がります(別紙資料)。

 □機構本部は大阪府財務部財務局に置き、北支部に参加するのは大阪市、吹田市、豊中市、箕面市、八尾市、柏原市、守口市、寝屋川市、大東市、門真市、四条畷市、交野市。南支部に参加するのは堺市、泉大津市、和泉市、高石市、岸和田市、貝塚市、泉佐野市、阪南市、富田林市、河内長野市、羽曳野市、大阪狭山市、松原市、太子町、河南町です。

 □職員は大阪府税職員と市町村からの出向で40人程度、引き継ぎ見込み件数は4000件、42億円を予定しています。

 □現在、大阪府に対して2014年度一年間の議論過程の全資料を公開請求中であり、その内容について分析し公表します。

≪滞納処分問題対策委員会立ち上げ≫

□さらに、滞納処分、差押え問題は、全国的にはこれからの課題です。大阪では想像もできない実態があることが徐々にわかってきました。どこよりも早くを発信していく必要があります。そのためにも、「弁護士との国保勉強会」を発展的に改組、「滞納処分問題対策委員会」として再構築します。

≪市町村国保会計分析≫

□保険財政共同安定化事業1円化による拠出強化を原因とした国保料値上げがひきおこされないよう地域での国保料引きさげ運動を強めます。そのためにも、市町村国保会計分析に力をいれます。

●生活保護

 □各地で提訴された「生活保護基準引き下げ違憲訴訟」を支える会に参加し支援します。

□各市役所・区役所の福祉事務所監視活動を具体化し、水際作戦から生活困窮者を守る活動を

行います。

●シングルマザーと子どもの貧困解決にむけた取り組み

□こどもの貧困をめぐっては20136月「子どもの貧困対策推進法」が成立しました。2014829日には「子供の貧困対策に関する大綱」が閣議決定されました。大綱では、「子どもの将来が生まれ育った環境に左右されず、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る対策は極めて重要だ」として、教育や生活の支援などに取り組むとしており、この大綱を受け、各都道府県は貧困対策計画をまとめる努力義務が課せられますが、大阪ではいまだこれといった動きは見られません。各市町村では、横断的な担当課さえ設置されていないというのが現状です。

□子どもの医療費助成制度については、寝屋川市が7月から入通院とも高校卒業までに一気に引き上げました。豊能町も同様の年齢引き上げを行うとの情報です。こうした動きを力に、全地域で「高校卒業まで、所得制限なし、完全無料」をめざします。また、近畿二府四県調査については、通年で行い、随時ホームページにアップします。

□さらに、各市町村に対して、子育て支援、子どもの貧困対策としての独自制度創設、たとえば、国保ひとり親世帯減免、子ども減免、ひとり親世帯家賃補助、学校給食費減免制度、保育料減免制度等々について強く要請していきます。

3.運動の出発点と力量の質的向上めざして地域・職場・現場での学習活動にさらに力をいれよう

□「税と社会保障一体改革ハンドブック」はこの一冊で社会保障だけでなく消費税のことも含めて全体的な学習ができるように構成されています。このハンドブックを活用し、草の根学習会を組織しましょう。

5月発行の相談活動ハンドブックを使って、地域で「相談員養成講座」を開催し、具体的な相談活動に活かしましょう。

□自治体キャラバン行動事前学習会を各地域社保協独自で開催しましょう。

 

★団体・地域社保協からの発言要旨

 

@    大阪労連「中原大阪府教育長パワハラ問題での辞任を求める緊急行動の訴え」

A    大阪府職労「地方自治研究会、住吉市民病院問題、府立病院機構等について」

B    金者組合大阪府本部「年金削減に対する大阪での裁判闘争について」

C    大阪府保険医協会「介護報酬改定と大阪府保険医協会第3回貧困調査の内容について」

D    大生連「生活保護費基準引き下げ裁判闘争と大阪市プリペイドカード支給問題について」

E 富田林社保協「大阪狭山社保協結成にむけて河南ブロックとしての支援と富田林社保協として大切 にしていること」

F    枚方社保協「枚方市による新しい生活保護一括同意書問題について」

G    茨木社保協「茨木社保協活動について」

H    松原社保協「松原社保協活動について」

I    くまとり社保協「個人会員74人で昨年からスタートしたくまとり社保協の活動について」

J    堺社保協「介護保険1万人アピール運動について」

 

大阪社保協第25回総会アピール

 第189通常国会が1月26日開会されました。今通常国会では、昨年末の総選挙結果を受けて、安倍政権の暴走ぶりが、来年度予算と法案という形で具体化されようとしています。

「消費税引き上げ分は全て社会保障に」を口実に昨年4月から消費税率は8%に引上げられましたが、増収分5兆円のうち「社会保障の充実」に使われたのはわずか0.5兆円にすぎません。そして、「社会保障の充実」どころか安倍政権は、社会保障の「自然増」分8300億円を4200億円に圧縮し、介護、年金、医療、生活保護など、手当たり次第に切捨て、更なる国民負担を進めようとしています。

 

昨年の医療介護総合確保推進法の成立で、「要支援」を介護保険から外し、介護保険利用料を2割負担にするなど介護保険制度の大改悪を強行。これに加えて医療保険では、先の3月3日に閣議決定された医療保険制度改革法案で、1)医療費適正化の名のもと国民健康保険の保険料の値上げや徴収強化につながる市町村国保の都道府県単位化、2)75歳以上の高齢者の保険料負担の引き上げ、3)入院食事療養費自己負担分を1食260円から460円に段階的に引き上げ、4)紹介状がなく大病院で受診する際に初診・再診に定額(5千円〜1万円程度)を負担させる、5)、混合診療の拡大につながり医療の安全性を無視した「患者申出療養(仮)」制度の導入など更なる国民負担増が盛り込まれています。このような政策は貧困と格差をますます広げ、「払えない」「暮らせない」「食べられない」人々が増え、生きることを窮地に追い込むものです。

 

こうした国民の暮らしを追い詰める政治の一方で、集団的自衛権行使容認の閣議決定に基づき「海外で戦争する国」に突き進もうとしていることも見過ごせません。来年度予算案では過去最大の4兆9800億円の防衛費(軍事費)を予算計上しています。社会保障の自然増分の削減は、この不要不急の防衛装備の過剰な拡大に使われる予算の一部を社会保障費に回すだけで大きく改善されます。

 

大阪では、「二重行政の解消」を口実に大阪市を解体し、住民サービスを低下させ、暮らしを破壊する「大阪都」構想が大きな争点になっています。この「都構想」の典型的な事例が住吉市民病院の廃止問題です。

 

こうした中で行なわれる4月の一斉地方選挙は、私たちの要求を実現させ、意思表示をする絶好の機会となります。私たちはこれまで、自治体への要請行動などを通じて、地域の医療・福祉を守る運動を進めてきました。そしてこれらの運動が、自治体からの支援を勝ち取り、その成果が確信となり、あらたな医療・福祉制度の改善運動につながっています。こうした中、地域の社保協の結成、再開も広がっています。

今こそ、大阪社保協の活動を更に大きく発展させ、貧困と格差に苦しむ全ての人たちと連帯し、住民の命と健康を守るために社会保障の拡充を実現させましょう。

2015年3月7日  大阪社会保障推進協議会 第25回総会

★祝電・メッセージをありがとうございました!!(敬称略でご紹介します)

【自治体首長】

富田林市長多田利喜  羽曳野市長北川嗣雄 大阪狭山市長吉田友好 泉南市長竹中勇人 岸和田市長 信貴芳則 貝塚市長藤原龍男 田尻町長原明美 和泉市長辻みちひろ 岬町長田代堯 泉大津市長伊藤晴彦 高石市長阪口伸六 枚方市長竹内脩 島本町長川口祐 茨木市長木本保平 吹田市長井上哲也 豊能町長田中龍一 能勢町長山口禎 八尾市長田中誠太  

【議会議長】

大阪市会議長床田正勝 東大阪市議会議長 八尾市議会議長平田正司 富田林市議会議長山本剛史 和泉市議会議長辻本孔久 泉南市市議会議長木下豊和 堺市議会議長大毛十一郎

【地方社保協】 

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