大阪社保協FAX通信   1094号 2015.2.20

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寝屋川市が7月からこどもの医療費助成通院を「高校卒業まで」に引き上げ決定、大阪トップレベルに!!この動きを力に一気に大阪全体のレベルアップを!!

うれしいニュースが飛び込んできました。

寝屋川市が今年7月からこどもの医療費助成制度を高校卒業まで一気に引き上げることを決定したのです。完全無料ではありませんが、所得制限もなく、大阪ではトップレベルとなります。寝屋川市は市民を守る基礎自治体としてのまともさを示しました。以下は大阪府歯科保険医協会が作成されたマップです。

 

一方、大阪府は年齢を就学前に引き上げることと引き換えに姑息にも所得制限を厳しくする方針を打ち出していますが、この寝屋川市の動きは確実に他の市町村をも動かす原動力となります。

この背景には地域社保協はじめ地域でのたゆまぬ住民運動があります。

また。大阪社保協も参加している子どもの医療費助成制度拡充を求める大阪府民連絡会と大阪府民連はこの間毎月宣伝と署名行動に取り組み、大阪府にはすでに36千筆を提出しました。さらには市町村議会には陳情書を提出し、吹田市、高槻市、枚方市、交野市でも意見書が可決しています。

★近畿では5割以上が完全無料・中学卒、8割は所得制限なし

23月市町村議会、および4月の統一地方選挙ではこの医療費助成制度は大きな課題となります。大阪社保協は近畿24県の全198市町村に対して11日付の子ども医療費助成制度実態調査を実施しました。1月末までに171市町村(86.4%)から回答がありました。

すでに大阪社保協ホームページには市町村別制度一覧(通院)をアップしているのでご覧いただきたいのですが、概要は以下のようになっています。

 

近畿子どもの医療費助成制度実施状況(通院)

2015.1.1現在 大阪社保協調査  ( )内は%

 

府県

一部負担

対象年齢

所得制限

就学前

1

3

小学卒

中学卒

1

高卒

滋賀

1368

421

842

0

211

15

526

0

15

1579

211

京都

415

1869

14

0

0

935

1038

1038

28

2285

0

大阪

0

43100

819

12

921

1126

1433

0

0

3684

716

兵庫

2561

1537

0

0

0

0

3893

0

0

922

3073

奈良

923

1949

1128

0

0

25

1333

13

13

2769

13

和歌山

2790

0

930

0

0

517

1137

0

2

2170

620

近畿

7846

9958

3722

11

116

2816

9153

11

64

13076

4627

 

 

222日、第3回こどもシンポ「大阪のこどもたちを幸せにするためにみんなで何ができるかを考えるシンポジウム」にぜひご参加を!!

★第1回こどもシンポが「無保険の子ども解消」の端緒となった

2007年の第1回こどもシンポでは小学校養護教員から「けがをしても病気になっても、『保険証ないねん』と保健室で訴えるこどもがたくさんいる」との発言があり、それを端緒に大阪から「無保険のこども解消運動」が起き、国民健康保険法が改正されて、18歳までのこどもには必ず6ヶ月以上の保険証が発行されることとなりました。この動きとリンクして全国のこども医療費助成制度はほぼ中学校卒業まで無料または低額負担となっています。

★大阪府も市町村も子どもの貧困対策では全く動き始めていない

こどもの貧困をめぐって、2013年6月「子どもの貧困対策推進法」が成立し、20148月「子供の貧困対策に関する大綱」が閣議決定されました。大綱では、「子どもの将来が生まれ育った環境に左右されず、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る対策は極めて重要だ」としています。これを受け、各都道府県は貧困対策計画をまとめる努力義務が課せられますが、大阪ではいまだ動きは見られず、各市町村でも、横断的な担当課さえ設置されていない現状です。

★こどもの貧困率は16.3%、6人に一人が貧困。

昨年夏に発表されたこどもの相対的貧困率は16.3%。相対的貧困率とは、経済協力開発機構(OECD)の基準を用い、収入から税金などを差し引いた全世帯の可処分所得を一人当たりに換算して低い順に並べ、中央の額の半分の貧国ラインに満たない人の割合です。2012年度の日本の貧困ラインは年所得122万円です。

★大阪市ひとり親家庭実態調査(平成25年度)からみえるシンママ(シングルマザー)世帯の実態

大阪市は昨年大阪市ひとり親家庭実態調査(平成25年度)を実施しました。その内容から大阪市のシンママ(シングルマザー)家庭の姿が見えてきます。

 

大阪市のシングルマザー家庭の姿

○大阪市児童扶養手当受給資格者 平成25年 34,736

○平均像    母の年齢39.6歳(全国23年度調査 39.8歳)

        ひとり親になってから5.6年 

        同居しているこども数1.7人 こどもの年齢12.1

        年間総収入 183.8万円(291万円)

         年間就労収入 155.0万円(181万円)

        生活保護受給状況 19.5%(14.0%)

        養育費(うけとっている場合)4.4万円(4.8万円)

        持ち家の割合 10.9%(29.8%)

        1か月に最低必要と考える生活費 19.0万円

○就業形態 労働時間 7時間06

        働いている人は77.1

        就業形態は

パート・アルバイト・派遣職員、臨時職員 47.6%    

         正社員・正規職員            24.9%

         無職                  14.2%

○母子家庭になって困ったこと(複数回答あり)

        経済的に困った        82.1

        仕事の子育ての両立が大変   50.5

        自分が精神的に不安定になった 42.3

        就職先がなくて困った     31.7

        こどもの教育(進学)やしつけのことで困った 28.6

        子どもをみてもらうところがなかった 23.1

        住む所に困った        22.7

          ・・・・・・・・・・など。

 

★いま、こどもたちはどう生き、暮らしているのか・・現場からお話します

3回目になるこどもシンポは「大阪のこどもたちを幸せにするためにみんなで何ができるかを考えるシンポジウム」と銘打ちました。

保育現場、学校現場、行政現場、医療現場から第一線で活動されているみなさんにまず現状をお話いただき、さらに問題提起、そして提案をしていただくこととなっています。ぜひ、多くの方にご参加いただき、ご一緒に地域で何ができるのかを考えたいと思います。

 

大阪のこどもたちを幸せにするために

みんなで何ができるかを考えるシンポジウム

 

★日 時 2015222日(日)1330分〜

★会 場 OMMビル2階会議室

★参加費 500円(学生・障害者・65歳以上、生活保護世帯の方は無料)

★主 催 子どもの医療費助成制度拡充をめざす大阪府民連絡会/府民要求連絡会/大阪府・市地方自治研究集会実行委員会