大阪社保協FAX通信   1028号 2013.2.6                                       

 

122日「生活保護無料電話相談」に150件の相談が殺到!!〜10時〜5時まで5台の電話が鳴り続ける!!多くはただちに地域の生健会や弁護士事務所につなぐ。

 大阪の生活保護を考える会(大生連・大阪府保険医協会・大阪府歯科保険医協会・大阪民医連・大阪自治労連・大阪社保協)1月22日、大生連会議室において午前10時〜午後5時まで「生活保護無料電話相談」を実施しました。

当日までに毎日新聞・朝日新聞・読売新聞が告知記事を掲載、当日朝の毎日放送ラジオ「ありがとう浜村順です」で告知され、お昼前にはNHKテレビ、毎日放送、読売テレビがニュースで、夕方には毎日放送「ちちんぷいぷい」でも報道されました。

午前9時前に電話のジャックを取り付けた途端に電話が鳴り出し、10時からは5台の電話が空くことなく鳴り続け、午後5時の終了時までに150件の相談を受けました。

相談員は、大阪民医連からMSW(医療ソーシャルケースワーカー)、大生連からは地域の生健会の事務局長、大阪自治労連から福祉事務所ケースワーカーOBなどの専門家を派遣していただき、さらに今回も全ての時間帯に弁護士のみなさんにもご協力いただきました。相談員のみなさん、本当にありがとうございました。概要をとりまとめましたので、以下報告します。

 

★圧倒的に多いのは「申請」に関する相談

 

相談内容(重なる内容あり)

1.

申請

2. 

利用者

3. 

生活苦

4. 

借金

5. 

滞納問題

6. 

バッシング

7.  

その他

86

42

37

5

3

6

6

 

  生活苦を訴え「私は生活保護申請ができるか」との問い合わせ

 

子供はおらず、夫婦二人暮らし。夫→6万円、妻→無年金で20年前まで自営業をしていて破産した(妹の婿が連帯保証人になっていて疎遠に。銀行の返済が出来ず土地家屋が競売にかけられ、今は何 もない)扶養義務の件が気になっている。

 

□詳しい生活保護申請の仕方を聞かせてほしい。母親と二人暮らしで2年間収入ゼロ、預貯金を切り崩して生活。ガンになって闘病→失業保険を受給し、切れた後はハローワークで就労支援を受けるが不採用が続く。持病もあり、医療費がかかる。

 

□71歳女性。家賃3万円のアパートに一人暮らし。収入は月7万円程。H235月に生保を受けたいと申請用紙を受け取るも「生保をもらうのは人間失格じゃないか」と思い、申請せず、仕事を探してスーパーの中にあるお好み焼き店でパートをするも足が不自由になり、もう働けない(難聴も抱えている)ので申請をしたい。しかし、今は足が痛くて動けないため申請に行ってほしいとのこと。現状:1200円の食事、「もう1回くらいおいしいもん食べたい」、「あと2,3年くらい幸せに生きていたい」と切実な訴え。今回テレビで見て「最後の砦」という言葉を聞いて「自分にも生きる最後のチャンスがきたのかも」と思い電話した。

 

□世帯構成は本人(71歳)と長男(42歳)。軽トラックで廃品回収を市、収入(売上)は約15万円でガソリン代、保険料、駐車場代等をそこから支払う。自宅はガスなし(カセットコンロで調理)、風呂なし(週に1回、1人410円で風呂屋を利用)。長男が2歳のころに離婚し、その頃生活保護を利用。友人から「10年以上前に亡くなった親の遺産(既にない)のことで保護が受けられない」と言われるのではないかと言われる。5・6年前に困って区役所に相談に行った際「長男さえ働けば保護は必要ない」と言われ、大変な中で死ぬ思いでやってきた。この少ない収入から仕事用の車検代を納めていたが、介護保険料の滞納があり、口座を差し押さえると区に言われ、その車検代で介護保険料を支払ったためもう貯えはない。3年前に虫垂炎で入院→内臓が癒着しているので仕事も大変。

 

    現在1ヶ月8万円の年金を受給。数年前に仕事を辞めてからはしばらく預貯金で生活してきた者の底をついたため生活保護申請できないかという相談。現在26000円の家賃で府営住宅に入居しているが内科や歯科への医療費負担が多く生活が苦しい。

 

離婚後、月5万円の年金と企業年金をもらい、パートの仕事もしている。しかし、昨年ヘルニアで足に障害が出て、しばらくは店の好意で働いていたものの、いよいよ身体がしんどくなってきたため、何か生活を支えてくれる制度はないか?との相談

 

  福祉事務所が法に違反した対応をしているケース多数〜すぐに地域の生健会などを紹介

 

    夫の子供(4人)に対する暴力で家を出る。離婚調停中でこちらの住所は知らせないようにしている。役所に相談に行ったところ「離婚が成立していないので受け付けない」と言われた。

(北河内の自治体)

 

現在生活保護を受給中で、厚生年金と国民年金を月計61000円もらっている。医療控除と住宅扶助をもらって生活(家賃22500円)していたが、H248月に国保料(?)を払っていなかったとして約120万円の支払いを要求され、生活保護費から控除されている。さらに印鑑を市役所の相談員に取られていて返してもらえない。(自治体不明)

 

□寝たきりの弟(60歳)についての相談。昨年12月生保申請にいったところ、姉がご飯を毎日持って行っていることを「食費の援助で、これからもできる。姉と(別の)弟で援助しろ」と言われ、取り下げの書類を書かされた。また介護保険料の滞納についても姉弟で12万円を援助。二人とも年金生活者なので援助は厳しいという現状。(北摂の自治体)

 

□インド国籍の男性。4年前結核になり、医者から仕事をしないように言われる。その後姉が脳卒中で倒れて寝たきりになりその介護をしている。退職金や貯金で生活していたがその残りも現在4万円。家族構成:本人(66歳)糖尿病、妻(63歳)卵巣癌、長女(37歳)無職、次女(36歳)派遣社員で年収180万円-交通費-保険料が収入。役所に2年前から生保相談に行っているが、申請受理されず、仕事を見つけるように言われ、さらに「娘には夜の仕事をして収入アップさせるように」と言われた。(北河内の自治体)

 

□生活保護を受給していたが、昨年12月に「仕事用のバイクを処分せよ」「求職活動が不十分」として保護を停止された。保護は妻と二人で受けている。妻はメール便の配達の仕事をしていて、相談者はそれを手伝ってきた。現在相談者は高血圧で、足腰が悪い。(北摂の自治体)

 

□現在肺がん治療の病院・脳外科へ通院しているが、生活保護で通院交通費が出るとは知らされておらず、区役所に設置されている弁護士会のパンフレットを見ると請求できるとあり、弁護士に相談したところ未払い交通費は24万円ほどになり、請求したところ73000円が支給された(医療券をもらいに行く際「交通費の申請か?」と聞かれていたことは疑問に思っていた)。その件以降CWの対応が変わってきて先日急に家賃証明書を出すように言われたので管理会社に請求した。その管理会社は西成の貧困ビジネスの会社らしく、請求することで追い出されたりしないか、保証人もいないので追い出されたら行くところがないと不安。

 

□糖尿病を抱えていて、仕事もできず、医療費の支払いもできない状況で役所に行っても相手にしてもらえない。以前保護センター(?)で保護受給の一歩手前まで行くも、昔暴力団関係者の運転手をしていたことが問題にされ(警察に呼ばれた)、それが原因で生活保護を受給できなかった経験あり→今回もそんなことになるのではと不安。

 

★生保利用者からは「相談するところがない」「保護費引下げでどうなるのか・・・」との不安の声・声・声。

 

□以前は家具販売会社を経営していたが阪神大震災で負債を抱え、社員絵の保障等で預金を使い果たし、失業。妻も大腸がんにかかった中でハローワークにも行ったが仕事はなく現在生保受給中。2人で17万円、うち家賃7万円や医療費等を払うと残り3万円ほどで生活。風呂も3日に1回しか入れず→保護費が少ない。生活保護を利用してから知人との付き合いも無くなり、相談できるところがない。妻が通院している病院は保護を受けているからか、対応が冷たい。

 

□現在生活保護を受給中(傷病・就労不可)。子の就労収入が78徴収対象。その控除について、子の世帯分離の取扱。担当がコロコロ変わって、落ち着いて相談出来ない。

 

  相談の多さは生活困窮の深刻さの反映・・・今後の対応についてはさらに検討します。

 

今回の生活保護での電話相談は大阪社保協などでは初めての取り組みです。予想を大きく超える相談件数と相談内容を深刻に受けとめています。もちろん一回限りの取り組みにするつもりはありません。今後どのような動きをつくっていくかについては、大阪の生活保護を考える会の2月の会合で検討します。なお、今回の電話相談内容については、大阪社保協ホームページにもアップします。

 

2月14日には「国保なんでも110番」を実施します!!

 

「生活保護無料電話相談」につづき、来週14日には「国保なんでも110番」を大阪市国保をよくする実行委員会と大阪社保協の共催で実施します。

 来年度の国保料改定にむけて、各地で国保運営協議会や3月議会での審議がされますが、大阪市をはじめ多くの自治体で「値上げ」の動きとなりそうです。

 しかし、「国保料のために働き、国保料のために財産を奪われる」ともいえるような実態が広がっています。

 一方、大阪社保協では、2011年から滞納保険料については「滞納処分の停止」を自治体に積極的にさせる取り組みを進めてきました。先日の生活保護無料電話相談でも、生活保護利用者から滞納保険料を納めさせている自治体がありました。こうした対応についても正していくことが必要です。 
 日常的な取り組みをすすめているからこそできる「国保なんでも110番」、次ページのチラシをぜひ拡散してください。

2月14日(木)10時〜17時、電話番号は06-6768-3070

 

 

 

国保なんでも110番

(無料相談ですのでお気軽にご相談ください)

06-6768-3070

(特設電話ですので当日しか通じません)

214日(木)10時〜17

主催 大阪市の国保をよくする実行委員会

    大阪社会保障推進協議会